西側の武器はウクライナ領内でのみ使われねばならない=ショルツ独首相
ショルツ独首相がエストニア・タリンでのバルト諸国首脳との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
記者から、ロシア領内へと戦闘が波及する可能性に関して質問されると、ショルツ氏は、「ロシアがウクライナへ侵攻した。そのため、ウクライナは自衛権を有す。私たちはウクライナを武器で支えている。ドイツと米国だけがそうしているのではなく、多くの他の国がそうしている。同時に、はっきりしていることは、私たちが供与している武器はウクライナ領内でのみ使われねばならないということだ。武器は、ウクライナの大地で防衛のために使用されることが定められたものだ」と発言した。
また、同記者会見時、カッラス・エストニア首相は、国連憲章に従い、各国が自衛権を有していることを喚起し、「それは、国は自衛手段を有すべきということを意味する。それは、ウクライナが与えられた武器を使うことができることを意味する。ウクライナはロシアへ入り込む願望を持たない。それは全くもって当然だ。そこにいるのは侵略者と犠牲者だ」と発言した。
カリンシュ・ラトビア首相は、「ウクライナがロシアを侵攻するつもりがないことは完全に明白である。ウクライナは自国を守りたがっている」と強調した。
同時に、シモニーテ・リトアニア首相は、「戦争が被占領地に限定して生じていると考えるのはかなり奇妙である。時々は自国領(編集注:侵略国の領土内)でも事件は起こるものだ」と指摘した。
その他、シモニーテ氏は、今年7月にビルニュスで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議へのウクライナの期待に言及し、「NATOに加盟すべき国はいずれの国に関しても、単に拒否してはならない。しかし、具体的な状況や、条件はある。現在ウクライナでは熱い戦争が進行している。当然、ウクライナのNATOへの道を封鎖することで、ビルニュス首脳会談の結果がロシアの勝利として読まれてしまえば、非常に残念なことになろう。重要なのは、首脳会議参加者が正しい言葉を見つけ、本件に然るべきものを与える正しい手段を示すことである」と発言した。
またシモニーテ氏は、民主主義の西欧は戦争の凄惨なイメージに慣れることは決していないだろうと述べつつ、同時に、「ウクライナがロシアの帝国主義的愚行と戦うのを支援することに疲れ果てることもない。そうでなければ、ロシアは欧州をさらに先に進んでしまう」と発言した。また同氏は、欧州大西洋空間はロシアがNATOや民主的世界との間で長期的対立を行う準備していることを理解せねばならず、そのため、NATOの安全保障を強化し、防衛能力を強め、そのために然るべき財政支出をすることが極めて重要だと強調した。
同氏はさらに、「新しい地政学的状況、ロシアからの脅威、これらが意味することは、私たちはもうゆっくり進むという贅沢ができないということだ。決定は迅速かつ果敢に下されねばならない」と発言し、それは特にバルト諸国にとって喫緊のことであると補足した。
なお、今年のNATO首脳会談は7月11、12日にリトアニア首都ビルニュスで開催される。
写真:bundeskanzler.de