独財務相、独製長射程ミサイルをウクライナ軍の現在の攻勢中に供与できる可能性に言及
14日にキーウを訪れたリントナー独財務相が独テレビ局ヴェルトへのインタビュー時に発言した。
リントナー氏は、「私は個人的には、ウクライナ人による巡航ミサイルを受け取りたいとする願望に共感しているのだが、しかし、手続き上の全ての段階が履行されねばならない。(中略)そのための条件は、同盟国との調整、ドイツが戦争参加者とならないこと、私たちの自国の防衛能力が弱体化しないこと、である。もしその3つの基準が満たされるのであれば、決定は採択され得る。私は、決定が迅速に下されることを望んでいる。今次戦争において速さは大きな意味を持つ。(中略)これは政府全体の願望だ。誰も遅らせたいとは思っていない」と発言した。
ウクライナ軍が巡航ミサイル「タウルス」を現在の攻勢が行われている内に受け取るチャンスはあるか、との質問に対して、リントナー氏は、「私はそう期待しているし、それは可能だと思っている」と発言した。
同氏はまた、それは政治的決定だけに左右されるものではなく、決定採択の後、そのシステムの輸送に向けて、準備がどれだけ迅速にできるか、という軍事的なロジスティックにも左右されるものだと指摘した。加えて同氏は、技術的変更が必要だとし、それはとりわけ、ドイツの航空機ではなく、別の航空機が使われることになるからだと説明した。報道されたような、ミサイルの射程距離を短くするような計画に関しては、リントナー氏はコメントせず、「現在、その決定のための条件をできるだけ早く履行するための話をしているところだ」とだけ発言した。
その他同氏は、誰も、ウクライナ人の頭越しに、ロシアとの間で和平についての協議を行う者はいないと明言し、ウクライナが自分で何が勝利になるのかを決めなければならないと強調した。
そして同氏は、ウクライナの友好国は、ロシアが勝利しないよう、そして長期的展望でウクライナの忍耐力がロシアの侵略能力よりも高くなるようにしなければならないと発言した。その際同氏は、それはウクライナを支援する国全体にとって、大きな挑戦だと認めた。同時に同氏は、友好国は防衛分野の生産能力向上に向けた措置を取り、制裁を継続し、予算には対ウクライナ支援が計上されており、少なくともドイツ人の大半は歴史の教訓からウクライナと連帯していると指摘した。
同時に同氏は、本件は欧州の利益と安全保障にも関わることだとし、「もしプーチンが目的を達成していたら、私たちもまた安全の中にはいられなかったであろう。欧州の安全と平和の秩序全体が大きなダメージを受けていたであろう。次は誰がプーチンの犠牲となるのか、欧州のどこで彼が軍事力を用いて国境を押しやろうと試みたがるのか、自らに問わねばならないのだ」と発言した。
なお、14日、リントナー独財務相はキーウを訪問していた。