モルドバ被占領地へのミサイル破片落下につき「ロシアの始めた戦争のせい」=サンドゥ・モルドバ大統領
ウクルインフォルム
モルドバのサンドゥ大統領は25日、同国被占領地トランスニストリアに撃墜されたミサイルの破片が落下したとの情報につき、それはウクライナで戦争が起きていることで生じた事件であり、それはロシアが始めた戦争であると発言した。
ニュースサイト「ニュースメーカー」が報じた。
サンドゥ氏は、「私たちが現場で確認ができないことははっきりしている。なぜならそれは、トランスニストリア地域で起きたからだ。しかし、いずれにせよ、それは戦争のせいで起きたのだ。爆弾が落ちているのは、ウクライナで戦争が生じているからであり、その戦争はロシアが始めたものだ」と述べつつ、落下物の出どころは「不明」とコメントした。
さらに同氏は、現在モルドバでは、モルドバの領空のモニターを行い、国民の安全を保証するため、防空のための機材、とりわけレーダーの購入が議論されていると伝えた。
これに先立ち、25日、モルドバ被占領地トランスニストリアの非承認集団の「平和創設作戦局統一管理委員会」のオレグ・ベリャコフ「共同委員長」が、キツカニ村にて、S300のミサイルの破片が見つかったと発言していた。同氏は、その破片は、オデーサ州へのミサイル攻撃の後に落下したものだと述べていた。
なお、2022年3月15日、欧州評議会議員総会は、ロシア軍の違法駐留の続くモルドバ領トランスニストリア地域を「被占領下」と定める決議を採択している。
サンドゥ氏は、本年8月、モルドバは国内のトランスニストリア紛争につき、平和的な手段でのみの解決を望んでいるとしつつ、ロシアの対ウクライナ戦争にてウクライナが勝利した際には、トランスニストリア紛争解決に向けた地政学的な機会が生じるかもしれないと発言していた。
また、ウクライナのゼレンシキー大統領は本年6月1日、モルドバが抱えるトランスニストリア占領地問題につき、モルドバ首脳陣から要請があれば、ウクライナは対応し、同国を支援し得ると発言している。