ドイツはウクライナに西側武器でのロシア領攻撃を認める可能性あり=報道
ポリティコがドイツ政府の立場を知る人物の匿名を条件とする発言を元に報じた。
同人物は、ショルツ独首相はロシア領内の標的へと西側武器を使用することへの許可を支持していると述べつつ、同時にその他の詳細は明かさなかった。
また、ヘーベシュトライト独政府報道官は29日、記者団に対して、「ウクライナの防衛行動は自国領に限定されず、侵略国領に拡大される可能性はある」と述べつつ、ウクライナとの間のドイツの武器使用に関する正確な合意は機密対象であり、開示することはできないと指摘した。
ヘーベシュトライト氏は、ショルツ氏による1年前の、ウクライナがドイツの武器をロシア領で使わないことに関して「コンセンサス」が存在するとの発言は、その時点で真実だったことを述べたものだが、それが将来にわたってそうであるとは限らないと発言した。
なお、28日にショルツ氏は、ウクライナはドイツに提供された武器を「国際法の範囲で」使用可能だと述べているが、国際法に従えばロシア領内の攻撃は認められる。
ショルツ氏は、記者団に対して、「私は、いくつかの人が議論をし、彼ら(編集注:ウクライナ人)は自衛すること、そのために適した方策をとることが認められていないと述べているのは、おかしいと思っている」と発言していた。
また、マクロン仏大統領は、そのショルツ氏との記者会見の際に、「私たちはミサイルの発射されている軍事施設を無力化することを(ウクライナに)認めるべきだが、ただし、他の民間・軍事目標ではない」と発言していた。
これに先立ち、英国政府が同国の供与した武器を使ったウクライナによるロシア領攻撃を認めていた。また、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、同盟国に対して、ウクライナがロシア領の軍事目的を攻撃する際の制限を解除するよう要請していた。
NATO議員総会は27日、NATO加盟国に対して、ウクライナに重要な武器の供給を加速し、またロシア領内軍事目的攻撃の際に西側武器を使用することへの制限を解除するよう要請した。
オランダのオロングレン国防相は28日、ウクライナのロシア領内標的への攻撃は欧州連合(EU)の議論対象となるべきではなく、ウクライナは自衛のためにその攻撃を行う権利があると発言していた。
ラトビアのブラジェ・ラトビア外相は5月1日、すでに複数の国がウクライナに対してロシア領攻撃における制限のない武器を供与していると発言していた。
イタリア政府は、ウクライナによる西側武器でのロシア領攻撃に反対を表明している。