独外相、ハンガリーがウクライナ支援を妨害しようとしても「必要な決定を採択する手段は見つかる」
ベーアボック外相がブリュッセルにおけるEU加盟国外相会合の前に発言した。ウクルインフォルム特派員が伝えた。
ベーアボック氏は、「プーチン・ロシアは欧州大陸の私たちにとって最大の安全保障脅威であり続けている」と発言した。
また同氏は、プーチン氏は癌を患う子供を攻撃することさえいとわず、暴力のスパイラルに陥っていると指摘した上で、そのため主要な課題はウクライナ支援の継続だと発言した。
その文脈で、同氏は、最近北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が最近採択したウクライナ防空の強化のための10億ユーロと毎年400億ユーロの支援、並びにウクライナ・ファシリティ内の500億ユーロの支援について喚起した。
さらに同氏は、話がウクライナの防衛だけの話ではなく、欧州の平和秩序の防衛の話なのは明らかだと述べ、そのためウクライナにのみ投資するのではなく、自国の軍事能力、抑止能力に投資することが重要だと発言した。その際同氏は、なぜならプーチン氏が攻撃したのはウクライナだけではなく、欧州の平和秩序に攻撃したのであり、彼はこれまでの軍縮活動や欧州安全保障協力機構(OSCE)の協力などを破壊したと指摘した。
その他同氏は、ハンガリー・オルバーン首相の「和平イニシアティブ」について言及する中で、戦争終わらせる提案は毎日テーブルの上にあるが、プーチン氏は自国軍を撤退させ、自国が始めた戦争を終わらせる代わりに、ウクライナの町を爆撃し続けていると指摘した。
そして同氏は、「私たちは、平和達成の努力を断念しない」と明言した。
ハンガリーがウクライナ支援を妨害する可能性に関する質問につき、ベーアボック氏は、EUは過去数か月、1国が欧州の安全保障利益に反する場合には、必要な決定を採択するための別の措置が見出されることを証明してきたと回答した。そして同氏は、満場一致の慣行を放棄し、外交・安全保障政策の決定を多数決で承認するという慣行を導入するというドイツのイニシアティブを喚起した。その際同氏は、そのアイデアは今後数週間積極的に議論されていくとした上で、そのような変化により、制裁政策などの問題で、より良い行動と「拒否権の建設的な利用」が可能となると指摘した。
加えて同氏は、バイデン米大統領が大統領選挙から撤退したことについては、バイデン氏の同決定を尊重するとし、それは「自らの利益の上に国益を置く」決定だとコメントした。また同氏は、バイデン氏は自身の任期の間に環大西洋関係で「信じられないほど多くのこと」を実現したと発言した。