米共和党議員、バイデン米大統領にウクライナによる長射程武器での露領深部の攻撃許可を要請
米下院外務委員会のウェブサイトにマッコール下院外交委員長、ロジャース下院軍事委員長、ターナー下院情報特別委員長、キーン下院外交小委員長、カルヴァート下院国防歳出小委員長、ハドソン・ヘルシンキ委員会委員がバイデン大統領に書簡を送ったとの発表が掲載された。
書簡には、「私たちは、ウクライナが米国から提供された長射程システム、とりわけ、『アタクムス』を、ロシア領内のより深部にある合法的軍事目標に対して使用する残された制限を解除するように強く要請する」と書かれている。
議員たちはまた、米国がウクライナの能力に対して課している制限は、同国がロシアの侵略戦争を打破する能力を妨げており、さらにはロシア軍にウクライナを処罰されることなく攻撃するための聖域をもたらしていると指摘した。
そして議員たちは、今年初めに米国の武器でロシア領内の目標をウクライナが攻撃することに対する完全な禁止を部分的に解除したことは歓迎されるものだったが、「遅すぎた」と指摘している。さらに彼らは、報告によれば、その変更はハルキウ州のロシア軍の進軍を止めるのには役立ったが、「しかし、その変更が前に行われていたら、ロシアのハルキウ州への侵攻は完全に防げていたかもしれないし、それはウクライナがドネツィク州における前線の重要地点に集中することを可能にしていたであろう」と主張した。
加えて議員たちは、ウクライナによるロシア領への米国の武器の使用も、ロシア領クルスク州でのウクライナの作戦も、ロシアはエスカレーションは引き起こしていないことを喚起した。
その上で議員たちは、「この紛争は、より厳しい制裁とウクライナの戦場での成功によって、ウラジーミル・プーチンが戦争によって得られるものはこれ以上何も残っておらず、交渉のテーブルにつかねばならないと確信した時にのみ終わるだろう」との見方を示している。
さらに、議員たちは、英国とフランスが、長射程ミサイル「ストームシャドー」と「SCALP」をロシア領内の合法的目的に対して使用する許可をウクライナに与えることをバイデン政権が妨害しているとする報告につき深い失望を表明している。
議員たちは、「ロシアが残忍で全面的な侵略戦争を遂行している限り、同国に対して、ウクライナに対して不処罰で戦争犯罪を行える聖域を与えてはならない」と強調している。