ウクライナとEUは一緒に穀物海路の安全を確保すべき=クレーバ宇外相
クレーバ外相がキーウで開催されたEU外務理事会非公式会合後のボレルEU上級代表との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ氏は、今回のEU外務理事会会合では、ウクライナの穀物を世界市場に輸出することについて詳細なやり取りが行われ、その関係で、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々との関係についても話し合われたと伝えた。
そして同氏は、「私たちのシグナルは非常に明確だ。ロシアの関与抜きでウクライナの穀物を世界へ輸出することのできる海の回廊は現実であり、私たちはそれをすでに示した。そして、今EUとウクライナがその回廊の安全を保証するために努力を追加的に結集すれば、同回廊は完全に能力を発揮できるだろう」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナ側は欧州と協力して、ロシアが世界に対して飢餓や穀物価格で脅しをかける可能性を奪う解決策を模索せねばならないとも指摘した。
同氏は、「私たちは、全面侵攻以前同様、彼ら(ロシア)抜きで完全に解決できる」と発言した。
これに先立ち、ウクライナのクブラコウ復興担当副首相兼地域発展・インフラ相は1日、ウクライナ南部オデーサ州の2つの海洋港から農産品と鉄鉱石を載せた民間船がさらに3隻出帆したと発表していた。
また、9月26日、プレテンチューク宇海軍報道官は、ロシアが黒海穀物回廊合意から離脱した後にウクライナが発表した臨時海路につき、すでに7隻の民間船が同海路を利用してウクライナの海洋港を出帆したと報告していた。
2022年7月22日、イスタンブルにて、ウクライナとトルコと国連、及び、ロシアとトルコと国連がそれぞれ、ウクライナの海洋港の封鎖を解除し、ウクライナ産農作物を輸出できるようにするための合意を締結していた。同合意は、120日間継続し、当事者の合意により延長できることになっていた。過去、複数回にわたり合意の延長が行われていた。
しかし、本年7月17日、ロシアがトルコ、ウクライナ、国連に対して、ウクライナの海洋港からの同国の農産物を安全に輸出させるための黒海穀物回廊合意の効力を延長しないことを通達。これを受けて8月10日、ウクライナは、黒海に面したウクライナの海洋港へのアクセスを可能にする商業船のための新しい臨時海路を発表。その際ウクライナは、あらゆるルートには、ロシアからの軍事的脅威と機雷の危険が残るとも伝えていた。
その後、9月19日に3000トンの小麦を積んだ「レジリエント・アフリカ」がチョルノモルシク港を出帆。9月21日にボスポラス海峡に到達していた。
写真:大統領府