ウクライナのEU加盟交渉の開始はアジアにとってもビジネスの機会を生み出す=駐ウクライナ日本大使
松田日本大使がウクルインフォルムにコメントした。
松田大使は、「EUによるウクライナとのEU加盟交渉を開始するという最近の決定は、日本の企業だけでなく、アジア、欧州全体の企業にとっても大きなビジネスの機会を生み出すものだ。言い換えれば、復興と復旧におけるウクライナの大きな必要とウクライナの将来のEU加盟が合わさることにより、日本企業や世界の企業は、自らの投資、貿易ポートフォリオを準備し、計画しなければならない状況を生み出し始めているのだ」と発言した。
大使はまた、会議開催の他の理由として、ウクライナの復興・復旧のニーズが非常に大きいことを挙げ、国連の評価では、現時点でそれは約4100億米ドルに上っていることを指摘した。
さらに大使は、日本政府はウクライナに財政、人道、技術の支援や非殺傷性装備品の提供を続けていることを喚起しつつ、「しかし、同時に、全面的な復興・復旧の分野では民間セクターの方がノウハウ、経験、機材、技術などの点で経験があることから、民間セクターを大規模な参加へと招くする必要がある」と発言した。
また大使は、会議準備において大使館はウクライナ側とどの分野のどれぐらいの企業が東京の会議に出席するかということや、日本のパートナー企業との会合につき協議を行っていると伝えた。
その際大使は、日本側が優先する分野として、インフラ、農業・食料産業、IT、製造業を挙げた。
農業と食料産業について、大使は、「ご存知の通り、ウクライナは農業製品の主要生産国の1つである。私たちは、ウクライナの農業製品や食料品を日本や、東アジアやASEANの市場で紹介することのできる手段を見つけたいと思っている」と発言した。
またIT分野について、大使は、「正直に言うと、私は自分の経験で、ウクライナでITが日常生活にどれだけ組み込まれているかと言うことに心地よい驚きを覚えている。『ジーヤ』(編集注:政府の開発した行政サービス提供オンラインポータル)などのシステムのことだ。日本もまた多くのIT製品、機材を開発しているが、もしかしたら、それは日本がウクライナからのサポートを見つけなければいけない、弱点の1つしかもしれない」と伝えた。
4つ目の分野として大使は、「ほぼ全ての製造業だ」とし、機械や自動車などをはじめとする製造業は常に日本の優先課題だと指摘した。
これに先立ち、ゼレンシキー宇大統領は、11月に岸田日本首相と電話会談を行っていた。その際、両首脳は、安全保証合意締結に向けた作業や来年2月に日本で開催される「日ウクライナ経済復興推進会議」の開催などの二国間協力の拡大に合意していた。