岸田日本首相、ウクライナ復興は「未来への投資」 復興会議で講演
岸田首相の講演全文を日本外務省がウェブサイト上に公開した。
岸田首相は、昨年3月の自らのウクライナ訪問を喚起し、ゼレンシキー大統領から長期のウクライナ復興に向けて、日本の経験や技術に対する期待、日本の民間投資に対する強い期待を聞き、「日本ならではの貢献」ができるはずだと考え、今回の復興推進会議開催を決めたと述べた。
また同氏は、ウクライナへの支援は「未来への投資」だと形容した。その際同氏は、「ウクライナでは、今この瞬間も戦争が続いている。状況は決して容易とはいえませんが、経済復興を進める ことは、いわば、ウクライナ、日本、そして世界の『未来への投資』だ。 我々は、我々全員の未来のために努力しなければならない」と強調した。
さらに同氏は、大いなる潜在力を有するウクライナの経済成長に繋がる復興・産業高度化に向けて、産業発展を目指し、官民一体となって支援していくと伝えた。
Ukraine government delegation began our visit to Tokyo.
— Denys Shmyhal (@Denys_Shmyhal) February 19, 2024
Had a substantive conversation with Prime Minister Fumio Kishida about expectations from the Japan-Ukraine Conference for promotion of economic growth and reconstruction.
We are building bridges between governments and… pic.twitter.com/L0kLuv5DU9
同氏は、日本の貢献を進める上で、「包摂性」「パートナーシップ」「知見・技術」の3つの原則を重視すると述べた。
加えて同氏は、日本の民間投資を促進すべく、新たな租税条約の締結、欧州復興開発銀行による増資への貢献、JBICによる黒海貿易開発銀行を通じたツーステップローンの供与、ODAによる関連系事業、ウクライナのベンチャーキャピタルに対するJICAの海外投融資、キーウへのJETRO事務所設置、NEXIによる新たなクレジットラインの設定、ウクライナ関係者への査証(ビザ)発給緩和を発表した。
同氏はまた、今回、日本とウクライナの企業との間で50本以上の協力文書が結ばれたことを伝えた。
その上で同氏は、「ウクライナの復興は長い取組となるだろう。それを支える国際社会の連帯もまた、一層強固なものにしていかなければならない。G7をはじめとする各国との緊密な連携を軸としつつ、国際機関を含むパートナーと協力していく」と強調した。
同日、ウクライナのシュミハリ首相は、ソーシャルメディア「X」アカウントで、復興会議への出席について報告した。
シュミハリ氏は、「東京での岸田日本首相の出席する日・ウクライナ経済復興推進会議の際、私は、重要投資分野として、エネルギー、農業、インフラ、自動車製造、採掘、ITを挙げた。私は、日本企業が復興とウクライナ経済の奇跡の一部となるよう招待する」と伝えた。
なお、19日、東京にて日・ウクライナ経済復興推進会議が開催されている。外務省は、日本・ウクライナ/国際機関間で56の協力文書が締結されたことを報告している。
写真:シュミハリ宇首相(フェイスブック)