ゼレンシキー宇大統領、年内に天然ガス発電で1ギガワットを得られることを期待
ベルリン訪問中のゼレンシキー大統領がウクライナ復興会議での演説の際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「ウクライナにおけるロシアの主要目標の1つが、エネルギー分野である。プーチンは統治を始めた最初の数年から、エネルギー資源とエネルギー供給を武器、影響力、他国従属の手段として見てきた。現在、ウクライナは、ロシアによるエネルギーを武器とする最大の破滅的ビジョンによって苦しんでいる。ロシアのミサイルと無人機による攻撃の被害で、すでに9GWの(発電)能力が破壊された。その際、昨年の冬の電力消費のピークは、(編集注:24時間で)18GWであった。つまり、その半分がすでに存在しないのだ」と発言した。
同氏はまた、会場の人々がダメージの規模を理解できるようにと、ベルリンが必要とする電力は1日約2GW、ミュンヘンは約3GWだと指摘した。
そして同氏は、「ウクライナの火力発電の80%、水力発電の3分の1がプーチンによって破壊された。そして、それはまだテロの限界ではない、残念ながら。しかし、私たちは、終止符を打ち、エネルギー復興を始めねばならない」と発言した。
加えて同氏は、プーチンはウクライナに対する攻撃で、通常の火力発電所、ダムから、ガス貯蔵施設、ウクライナの電力システムと欧州の電力システムを繋ぐコネクターに至るまで、様々なエネルギー施設を破壊する「慣行に磨きをかけようとしている」と強調した。
加えて同氏は、「ウクライナにおいて復旧されるもの、再建されるもの、防護されるものは、今後数十年にわたる基盤として欧州の役に立ち、さらにロシアの武器庫に『全面停電』という武器が残らないことの証拠にもなる」と発言した。
そして同氏は、ウクライナは現代的エネルギーにとっての自然のあらゆる基盤を有しているが、パートナーからの融資や投資がなければ、それを実現することはできないと述べた。
その際同氏は、「それは援助のことではなく、あなた方の企業にとって高利回りの投資のことであり、あなた方の機材にとっての大きな市場のことであり、あなた方の投資にとっての融資プログラムのことである」と指摘した。
その他同氏は、破壊された電力施設につき、現在復旧できるものは冬季までに復旧せねばならないとし、「それが非常に重要だ。今後3、4か月である。私たちは、それをどのように実現するかは知っている。あなた方には、停止している発電所からの機材と直接の財政支援をお願いする」と強調した。
加えて同氏は、今年最初の1GWが天然ガス発電から得られることへの期待を表明した。
そしてさらに同氏は、「さらなる要素が、高効率の分散型尖頭負荷発電である。それは、今日には電力不足を解消しつつ、明日には水素に変換され、新たなグリーンエネルギーの均衡を取るものだ。その分野こそ欧州の、特にドイツの、企業が技術面のリーダーとなっている。その分野こそに、私たちは年内に1GWの発電能力を作り出す明確な計画を有している。そして、さらに4GWは今後数年間だ」と発言した。
なお、11日、ベルリンではウクライナ復興会議が開催されている。