ゼレンシキー大統領「露のガスは世界で最も汚れている」 米エネルギー長官と会談
ウクライナ大統領府広報室が伝えた。
発表によれば、両者は、ウクライナと地域のエネルギー安全保障の喫緊の問題につき協議を行い、ノルド・ストリーム2によるウクライナの安全保障、欧州のエネルギー安全保障にとっての脅威に関して詳細な意見交換を行った。その際、両者は、ウクライナと米国の間で同プロジェクトによるリスクに関してアプローチの共通性を指摘した。
ゼレンシキー大統領は、「ロシアのガスは、採掘と輸送の過程で相当量のメタンを排出するし、また汚職、脅迫、印象操作が行われることから、世界で最も汚れたガスである」と発言した。
大統領はその上で、ロシアがガスを武器として利用することを効果的に防ぐ手段の創出が重要だと強調した。
同文脈で大統領は、ウクライナのガス輸送維持と欧州のエネルギー安全保障を扱うウクライナ、ドイツ、米国の定期的な3者協議フォーマットのできるだけ早い時期の開始が重要だと指摘した。
両者は、ウクライナと米国のエネルギー、気候変動対策、グリーンエネルギーへの移行の手段といった分野での協力活性化の手段を詳細に協議した。
大統領は、「私たちは、エネルギー分野の改革と脱石炭の道を自覚的に選択した」と発言した。また、大統領は、米国がウクライナのこの野心的計画に関わることで、新しい質の両国パートナーシップを築くための可能性が生まれると指摘した。
また、原子力エネルギー分野の協力、ウクライナの原子力発電所の追加原子炉建設、小型モジュール炉の利用のプロジェクト実現に注意が向けられた。
大統領は、ウクライナと米国がエネルギーと機構の分野の戦略的対話を開始することで、両国協力がさらに活性化し、相互イニシアティブ・プロジェクトの実現を促進するだろうとの確信を表明した。
その他ゼレンシキー大統領は、グランホルム・エネルギー長官に対して、クリミア・プラットフォーム首脳会談への参加と、米国によるウクライナの主権・領土一体性回復支持につき謝意を伝えた。
なお、ゼレンシキー大統領は現在米国を訪問している。9月1日には、バイデン米大統領との会談が行われる。大統領の訪米は、9月5日まで続く予定となっている。
写真:大統領府