クレーバ宇外相、「ウクライナとOSCEの立場は一致。ロシアは原則を遵守すべき」
クレーバ外相が13日のOSCE常設理事会会合後の総括として発言した。ウクライナ外務省が公表した。
クレーバ氏は、同日のOSCE常設理事会会合では、ロシアからの軍事的圧力と不当な最後通牒を受けているウクライナに対する団結したサポートが表明されたと伝えた。
同氏は、「国家がどの組織あるいは同盟の一部になるかを自由に選択する権利を含めて、ヘルシンキ最終議定書にて確認されているOSCEの原則は不可侵であるという、ウクライナの立場は、パートナーたちにより完全に共有されている。ウクライナは、パートナーたちの支持を受けた上で、ロシア連邦が欧州の安全保障の議題で最後通牒を出すのではなく、良心をもってヘルシンキ10原則(Helsinki Decalogue)を履行し始めるように、作業を継続していく」と発言した。
同氏は、それはつまり、ロシアがウクライナ東部の侵略を停止し、クリミアの占領を終了し、OSCE空間における、ジョージア領やモルドバ領でのロシアが作り出したその他の長引く紛争を解決するための真の行動を実行することを指すと説明した。
また同氏は、OSCEの基本文書により、ロシア連邦は「OSCE地域のいかなる部分も自らの影響圏とみなさない」義務を負っているのだと指摘した。
加えてクレーバ氏は、この「大外交の一週間」はロシアにとって不満だっただろうが、ロシアが力を用いて問題を解決する意図がないことを示す唯一の手段は、OSCEをはじめとする、確立されたフォーマットで議論を継続することだと発言した。
その他同氏は、今年のOSCE議長国がポーランドであることを喚起しつつ、同日の常設理事会の各参加国の立場を分析した後、OSCEの議題を効果的に実現するためにポーランドとさらに緊密に協力していく準備があると伝えた。
また同氏は、ウクライナは、ロシア連邦が欧州にて新たな戦争の波を起こすことのないよう、包括的抑止パッケージの実現に向けて、パートナーたちと活発な作業を継続していくと発言した。
なお、OSCEの前身となる全欧安全保障協力会議(CSCE)のヘルシンキ最終議定書(Helsinki Final Act、ヘルシンキ合意とも)とは、35か国がフィンランド首都ヘルシンキにて1975年に採択した最終合意文書のこと。同文書は、第二次世界大戦の政治面と領土面の総括をした内容となっており、全ての欧州国家の主権的平等、脅迫・力の行使の自制、国境の不可侵、国家の領土一体性、外国の内政への不干渉、民族自決の平等な権利などを定めており、これに全ての国家が自由に同盟を選択する権利も含まれている。また、全ての国家の自由な同盟選択の権利は、1990年のCSCEパリ憲章でも確認されている。