日本政府、新たな対露制裁とロシア外交官ら8人の国外退去を発表
岸田首相が記者会見を行った。
岸田首相は、会見時、「ロシアに対する外交的、経済的圧力を強化する。これ以上のエスカレーションを止め、一刻も早い停戦を実現し、侵略を止めさせるため、国際社会と結束して強固な政策を講じていく」と発言した。
追加制裁として発表されたのは、次の5つ。
1 ロシアからの石炭輸入の禁止(早急に代替策を確保し、エネルギー分野でのロシアへの依存を低減させる)
2 機械類、一部木材、ウォッカなどの輸入禁止(来週から導入)
3 ロシアへの新規投資禁止(G7と連携し、速やかに導入)
4 ロシア最大手銀行のズベルバンクとアルファバンクへの資産凍結
5 資産凍結の対象の更なる拡大。400名近くのロシア軍関係者や議員、国有企業含む約20の軍事関連団体を新たなに制裁対象に追加(これに同制裁の対象者は、個人約550人、約40団体となる)
さらに岸田首相は、会見時、ゼレンシキー宇大統領が日本国会での演説の際に「ロシアに対してアジアで最初に圧力をかけたのは日本。制裁を続けて欲しい。ロシアが平和を追及するようになるために、努力をしよう」と呼びかけたことを喚起した。その上で岸田氏は、「こうした切実な思いを我々に対して訴えました。こうした声に日本はしっかりと応えていきます」と強調した。
その他、日本外務省は同日、公式ウェブサイトにて、森外務事務次官がガルージン駐日ロシア大使を召致した上で、8名の外交官らの国外退去を伝えたと発表した。
発表によれば、森事務次官がガルージン露対しに対して、「ロシア軍の行為によりウクライナにおいて多くの市民が犠牲になっていることに強い衝撃を受けている。多数の無辜の民間人の殺害は重大な国際人道法違反であり、戦争犯罪である。断じて許されず、厳しく非難する。即刻全ての露軍部隊を撤収するよう強く要求する」と伝えた。
その際、森氏は、「ロシア軍による民間人殺害を否定し、ウクライナと西側によるフェイクと主張する露側のプロパガンダは全く受け入れられない」と強調した。その上で同氏は、「こうした状況も踏まえ、我が国として、総合的に判断した結果、8名の駐日ロシア大使館の外交官及び通商代表部職員の国外退去を求める」と伝えた。
これに先立ち、6日、米国と英国が新たな対露制裁を発表していた。ズベルバンクは、両国の制裁の対象にも含まれている。
写真:共同通信