ゼレンシキー宇大統領、ドゥダ・ポーランド大統領と会談 武器提供、農産物輸送、対露制裁など協議
ウクライナ大統領府広報室が公表した。
発表によれば、ゼレンシキー大統領は、ポーランドが現在ウクライナを歴史的なレベルで支えてくれていると指摘した他、「ポーランド大統領はまた、ウクライナは自らの権利と自由を守っているだけでなく、欧州の国一つ一つ、ポーランド、欧州連合(EU)全体の権利と自由を守っている、と言ってくれた」と発言した。
ゼレンシキー氏はまた、ロシアの侵略の際にウクライナとポーランドの人々は強力な繋がりを示していると述べた。
両首脳は、ウクライナ軍強化と武器提供、食物不足による食料市場の状況について協議した。ゼレンシキー氏は、「現在、私たちは、ウクライナの穀物などを欧州、アジア、アフリカの国々へと供給する道の封鎖を解除することを考えている。ここでも私たちは、ポーランドのパートナーたちと一緒に作業をしている」と伝えた。
その他、両首脳は、二国間経済関係、ウクライナ復興、ウクライナのEU加盟候補国地位付与問題について協議した。
ゼレンシキー氏は、ウクライナ人を助けてくれているポーランドの人々に対して、謝意を伝え、勝利の後には、ウクライナへの支持を示しているポーランドの町々を訪問すると発言した。
ドゥダ大統領は、ロシアの対ウクライナ戦争はまだ終わっておらず、人々は亡くなり続けているとし、「現在、ルハンシク州とドネツィク州で怒っていることは、普通の人は想像できないようなことだ。何百人の人々が毎日命を捧げている。これは欧州と世界が長らく目にしてこなかった戦争の規模である」と強調した。
またドゥダ氏は、戦争の終結のためには、国際社会によるサポートが不可欠であり、人道支援だけでなく、軍事支援が必要だと発言した。そして、「ウクライナには武器が要る。ウクライナ人は、大きな精神と決意を持っているが、彼らには敵に勝つための現代的機材が必要だ」と発言した。
加えてドゥダ氏は、対露制裁の調整の重要性を強調し、ロシアを国際的レベルで孤立させ、ロシアとの「通常の関係」を止めなければならないと強調した。さらに同氏は、ロシアのイメージに影響を与える制裁も必要であるとし、具体的には、国際機関やスポーツ団体からのロシアの排除などを挙げた。
同氏は、「私たちは、ロシアにとって戦争が得ではなくなり、ロシア自身にとって脅威となる状況を生み出す手段を見つけなければならない」と発言した。
またドゥダ氏は、もう戦後のウクライナ復興について考えるべきであると強調した。
なお、22日、ドゥダ・ポーランド大統領がキーウを訪問した。ドゥダ氏は、同日最高会議(国会)にて演説を行った。ロシアによる全面的侵攻が始まってから、これまでジョンソン英首相とルッテ蘭首相がオンラインで最高会議で演説を行っていたが、生演説を行ったのはドゥダ大統領が初めてとなる。
写真:大統領府