ゼレンシキー宇大統領、EU加盟候補国地位付与獲得につき「自分のことを誇りに思おう」

ゼレンシキー宇大統領、EU加盟候補国地位付与獲得につき「自分のことを誇りに思おう」

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は24日、ウクライナがEU加盟候補国地位を得たのは、それが「空から降ってきた」のではなく、ウクライナ国民には誇るべきもの、喜ぶべきものがあるのだと発言した。

ゼレンシキー宇大統領が24日夜の動画メッセージで発言した

ゼレンシキー氏は、23日にウクライナが欧州連合(EU)加盟候補国地位を獲得したことにつき、24日はウクライナ社会では一日中、その歴史的決定の議論が起きていたと指摘し、「朝からこの瞬間まで、テレビ、ラジオ、インターネットでは、それが何を意味するのか、どのような条件をウクライナは履行しなければならないか、それがどれだけ大変か、何年かかるのか…といった話が続いている。そこで、私は、今日のまとめとして、こう言いたい。ねえ、少しは喜ぼうよ? 静かに、謙虚に、心の中ででも良いから、喜ぼうよ。自分のため、自分の愛する国のために。瞬間、この瞬間の味を感じようよ」と発言した。

同氏は、エベレスト(チョモランマ)登山と比較して、「最終到達地点の前の地点に辿り着いたとする。辺りを見回さずに、一息すらつかず、これからの頂上への道について、最後の1848メートルを登頂することがどれだけ大変かについて話している。その瞬間、私たちは自分の成功について忘れ、成功の価値を見失ってしまうのだ」と指摘した。

その上で同氏は、「そうではなくて、まずは私たちがここまで7000メートルを登り切ったことを思い出そう? 自らの達成を話すことを恥ずかしがるのはやめよう。忘れっぽく、劣等感を抱く人にはならないようにしよう」と呼びかけた。

さらに同氏は、人々が「ウクライナにEU加盟候補国地位が与えられた」と述べていることを指摘し、「『ウクライナがEU加盟候補国地位を獲得した』と言おう。その地位が空から降ってきたとでも? 私たちは大したことはしていないとでも言うのだろうか?」と指摘した。

同時に同氏は、欧州委員会が加盟候補国地位付与勧告の際に7つの要求を提示したことは確かに事実だとしつつ、「それが私たちを恐れさせるだろうか? そんなことはない。なぜなら、その前に私たちは何百ものことを成功裡に実行してきたからだ。そのことを忘れないでいよう。自慢のためではない。私たちがその道を絶対に乗り切れるという信念のためだ。私たちは、7000メートルを登り切った。だから、止まらずに、自らのエベレストを始めよう」と述べた。

そして同氏は、以前はシェンゲン圏への渡航にはビザが必要だったが今は必要なくなったこと。国会議員の不可侵権が剥奪されたこと、大統領の罷免が可能になったこと、土地購入が以前は全く不可能だったことを喚起し「野蛮な話に聞こえるだろうか? 自分たちの話ではないように思えるだろうか? 私たちの話だったのだ。しかも、つい最近のことだ。しかし、私たちは全てを変えたのだ」と指摘した。

さらに同氏は、近年の改革達成として、民営化、土地改革、選挙法改革(最高会議選挙に非拘束式名簿比例代表制を導入)、非中央集権化、国家汚職防止庁(NAPC)改革、反汚職裁判所立ち上げ、行政サービス提供センター運営開始、オンライン上での国家サービス提供開始、ジーヤ(オンライン上の総合国家サービスポータルサイト)運営開始、国営ガス関連企業の分割、コンセッション方式での国営企業の営業権譲渡、EUとのオープンスカイ協定署名、産業査証の免除、脱オリガルヒ化を喚起した。

その上で、「多くのことが行われたのだ。それを忘れないでいよう。自分のことを誇りに思おう。自分のことを尊敬しよう」と強調した。

写真:大統領府


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