ルッテ蘭首相、キーウを訪問　ゼレンシキー宇大統領と武器提供など協議

ゼレンシキー大統領がテレグラム・チャンネルにてルッテ首相の大統領府到着時の動画と写真を公開した。

ゼレンシキー氏は、投稿にて、「今日、ルッテ蘭首相と会談している。提供されているオランダの防衛サポートの量は、私たちの国のパートナーの間のトップ１０に入る。一緒に居てくれて、私たちを支えてくれてありがとう」と書き込んだ。

また両者は、同会談後共同記者会見を行った。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ルッテ・オランダ首相は、オランダはウクライナに最新の武器を提供していると発言した。ルッテ氏は、「当然ながら、ウクライナは私たちの軍事サポートを必要としている。私たちは、現代的武器でウクライナをサポートせねばならない。私は、欧州と、世界のその他の場所の同僚皆に対して、ウクライナを重火器で支援するよう要請している。私たちの国は、重火器、装甲車、自走榴弾砲を提供していく。私は、同盟国に同様のことを行って欲しいと思っている」と発言した。

またルッテ氏は、ロシアが始めた対ウクライナ戦争は、皆が期待していたより長く続く可能性があるとしつつ、しかしながら、それが、世界が手を引くだとか、事態を消極的に観察する可能性は意味しないと発言した。同氏は、「私たちは、引き続き集中してウクライナを政治的に支持していくべきであり、常にサポートについて話し、常にプーチン・ロシアに圧力をかけ、またウクライナとの二国間・他国間の政治的協力を強化していくべきである」と強調した。

同氏はさらに、オランダはウクライナをあらゆる可能な手段で支持していくと明言し、「あなた方は、私たちを今も期待して良いし、今後数年間も、その後も期待して良い」と強調した。

ゼレンシキー宇大統領は、ルッテ首相との会談につき、「私たちは中身ある協議を行った。協議は、ウクライナとオランダが、欧州全体の利益のために協力して最大限効率的に仕事を行う準備の程度を改めて確認するものであった。実に多くのことがすでに行われている」とし、オランダの対ウクライナ防衛サポートの多さを指摘した。

またゼレンシキー氏は、オランダがウクライナに追加の重火器提供を決定したことを指摘した他、オランダが最近２億ユーロの対ウクライナ追加財政支援を供与したことを伝えた。同氏は、この決定は、ウクライナが教師、医療従事者、年金生活者へ支払いを行う支援となると説明した。

さらに同氏は、オランダは対露制裁へと大きな貢献をしたと指摘し、また対露制裁強化の作業は今後も続いていくと発言した。

同氏はまた、ルッテ氏に対して、前線の状況と展開のシナリオについて報告したとし、「私たちは、占領者全員をできるだけ迅速に追い出し、望ましくは私たちの独立国家の領土全体にて、普通の民主的な生活を回復すべく、あらゆる可能なことを行わねばならない」と強調した。

加えてゼレンシキー氏は、ルッテ氏とウクライナ復興について協議したとし、オランダが南部ヘルソン州の復興へ加わることも検討していると発言した。同氏は、復興は戦後だけではなく、現時点の復興についても話したとし、安全の強化、経済活性化、（９月からの）新学期の教育準備、暖房シーズンへの準備について話したと伝えた。同氏は、「私たちは、復興について話した。オランダはまだ考えていくが、私たちのヘルソン州へと注意を向けている」と発言した。

その他ゼレンシキー氏は、オランダの対ウクライナ武器提供が国別トップ１０に入ることを喚起しつつ、「つまり、オランダが私たちの国の脱占領を支援していることも意味する。私は、それに感謝している。私は、私たちがオランダ政府と合意していることを完全に全て話すことができるかは確信がない。私は、ロシア連邦に対して、『不愉快なサプライズ』へ向けた準備をしておいて欲しくないのだ」と発言した。

記者からオランダの武器供与について質問があると、ゼレンシキー氏は、ウクライナは確かにより多くの火砲が必要だと発言した。同氏は、「確かに、残念ながら、ロシアには、ウクライナと比較すると、武器、火砲の量で大きな優位がある。そして、確かにそれは一つの喫緊の問題であり、現在、ルッテ氏との会談にて、私はその件を提起した。火砲供給はある。私は明言するが、私は、強力なサポートを提供する準備のある全てのパートナーと火砲について話している。そう、それは確かに足りないのだ」と発言した。

また、ゼレンシキー氏は、ウクライナ南部解放作戦について質問されると、「言えることは、私たちの軍人全員の課題が私たちの領土全体の脱占領であるということだ。私は、それは私たちの国家の一人一人の国民の課題だと思っている。何らかの計画の詳細については、共有しない」と発言した。

なお、ルッテ蘭首相は１１日、キーウでのゼレンシキー宇大統領との会談前に、イルピン、ボロジャンカ、ブチャを視察していた。

写真：マルクシュ・イルピン市長（テレグラム）