EU理事会、ウクライナへの追加5億ユーロの軍事支援と新対露制裁に合意
ボレルEU上級代表がブリュッセルにて会合後記者会見時に発表した。
ボレル氏は、「外相たちは、自由と独立のための戦いにおいて、ウクライナと並んで強固に立ち続ける必要があるとの点に満場一致で合意した。ウクライナは、さらに武器を必要としており、私たちはそれを提供していく。戦争は続いていく。そして、私たちは、その支持を続ける。そのため、私は、欧州平和ファシリティ(EPF)からの5億ユーロ拠出の次回トランシュを提案した。それは政治的決定だ。技術的には、この決定は、今後数日で採択されるのだが、しかし今日外相たちはそれに同意した」と発言した。
加えてボレル氏は、同日の外相理事会会合では、過去の6つの対露制裁パッケージに対する補完的な制裁「継続と統合のパッケージ」を採択したと伝えた。同氏は、「私たちは、制裁作業も継続した。欧州委員会と上級代表の共同提案が、現存の制限措置のギャップの除去と回避の防止のための新しい方策とともに提示された。私たちは、新しい方策を採択し、それら制裁の全体構造を確認した。制裁は機能しており、ロシア経済を著しく痛め付けている。それが一晩で戦争を止めることがないことは分かったことだが、それら制裁のダメージはロシアにとって多くの経済的問題を生み出すことになる」と指摘した。
同氏は、採択された方策は、ロシアの金への禁輸、凍結された資産のコントロール強化、対個人・法人制裁リストの拡大、現存制裁の2023年1月までの継続からなると説明した。
また同氏は、同日の外相理事会会合は、主にロシアのウクライナに対する侵略についての協議に関するものだったとし、その議題の際には、ウクライナのクレーバ外相がオンラインで参加し、情勢の展開について報告したと伝えた。
同氏は、「彼(クレーバ宇外相)の情勢描写は、現地の情勢が引き続き劇的であり続けていることを示している。ロシアは、日々ミサイル攻撃を続け、民間インフラを狙い、民間人の間に毎日何十人もの犠牲者を生み出している。私たちは、ロシアの侵略の期間の民間人に対する暴力のレベルに震撼した。私たちはまた、ロシア軍が性的暴力を戦争の武器に利用しているという報告を懸念している」と発言した。
さらに同氏は、外相たちは、ウクライナに対して、ロシア侵略に対抗する上で必要なあらゆる支援を提供し続けると強調した。
なお、EUは、これまでに欧州平和ファシリティ(EPF)を通じてすでに20億ユーロの軍事支援をウクライナに提供している。今回支援の確定により、軍事支援総額は25億ユーロとなる。
また、欧州委員会は15日、「継続と統合のパッケージ」と呼ぶ新たな対露制裁方策を提案していた。
写真:Ministerio de Asuntos Exteriores y de Cooperación