ウクライナはロシアとの戦争に勝たねばならない=フォンデアライエン欧州委員会委員長
フォンデアライエン委員長がスロベニアで開催されたブレッド戦略フォーラムの開会式に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、現在あらゆることは、欧州コミュニティが根本的原則を守り、侵略と対峙し、友好国を守ることができるか否かにかかっていると述べ、「メッセージはこれ以上ないほどに明確だ。つまり、もし私たちが自決権や国境不可侵といった基本的原則を守りたいのであれば、プーチンはこの戦争に勝ってはならない、ウクライナが勝たねばならない、ということだ。これは絶対に明白である」と強調した。
同氏はまた、EUは経済的努力を動員し、さらに過去数週間にはかつてないほどの最大の(対露)制裁を発動したと述べ、その制裁は「クレムリンの戦争を行う能力への甚大なダメージ」を与えたと伝えた。また、同氏は、将来的に制裁がさらに結果をもたらすだろうと指摘した。
さらに同氏は、EUはウクライナに対して全面的侵攻開始から、2国間支援を除いて、総額100億ドル以上の財政支援を提供したと指摘し、現在も欧州委員会は次の対ウクライナ財政支援に向けた作業を行っていると伝えた。
同氏は、EUが、機関として初めて第3国の防衛のために資金を拠出したと発言した。また、同氏は、ウクライナ人が「自国を守る英雄的な努力」をしていると指摘した。
加えて同氏は、「私たちは、ウクライナを必要な限りずっとサポートしていく。私たちは、ウクライナのため、私たちの欧州的価値のためにそうするのであり、私たちは、国際法の規範に違反することは高くつく、ということをロシアと世界に対して示すためにそうしているのだ」と強調した。
また同氏は、新たに生じた挑戦によりEUは新たな戦略的思考を必要としているとし、民主主義を外的脅威から守ること、国際法の規範にもとづいた世界秩序を守るためにEUの経済力を使うことを考える必要があると指摘した。
その他同氏は、「EUが汚れたロシアのエネルギーに依存する時代」を終わらせる必要があると強調し、その点で、欧州はエネルギー供給源の多様化を進め、天然ガス需要を抑え、ロシアによる燃料供給停止に備えなければならないと発言した。さらに、そのことにより、EUのグリーンエネルギーへの移行も加速させると指摘した。
同氏は、クレムリンの侵略はウクライナを過去の暗い時代に戻すことを目的としていたが、実際には世界は「国家を変化させ、発展させようという努力」をウクライナ人たちが続ける準備があることを目にしていると指摘した。同氏はまた、新しいウクライナは強力な機構、デジタル化した挑戦に対してより強靭な経済を有すであろうと述べた。また、国の発展のためには、政権は甚大なリソース、投資のロードマップ、調整努力を必要とすることになるとしつつ、同氏は、その点において、10月25日に欧州委員会がサポートする形でベルリンにて、ウクライナ再生・復興国際専門会議が開催されることを喚起した。
そして同氏は、「私たちはあなた方の側におり、あなた方をそれらのステップにおいて支えたいと思っている」と強調した。