ゼレンシキー宇大統領、第二次世界大戦開始と露の対ウクライナ全面侵攻を比較
ゼレンシキー宇大統領が動画メッセージを公開した。
ゼレンシキー氏は、「1939年9月1日およそ4時、ポーランドの町ヴィエルニを恐ろしい爆撃が襲った。ナチス・ドイツが、ポーランドを端緒に、全ての自由な民に対する戦争を始めたのだ。そして、ウクライナ人、ポーランド人、全ての欧州人、全ての人の間で、ナチズムがもたらしたものが何か、ナチスの死刑執行人が何によって責任を問われたかを忘れる世代は生じない」と発言した。
同氏はまた、人々は、その恐ろしい犯罪、あのような残酷な戦争の再来は回避できると信じていたと述べつつ、「しかしながら、またそのような朝が起きたのだ。2022年2月24日、爆弾とミサイルが平和な町々を襲ったのだ」と強調した。
さらに同氏は、またしても憎悪のイデオロギーが大量殺人とテロによる欧州空間の制圧を試みていると述べ、ヴィエルニがハルキウやミコライウ、ドンバスの町々やマリウポリで繰り返されており、町や村がまたも焼き払われ、カティンがオレニウカで繰り返され、追放もまた繰り返されていると発言した。
同時に同氏は、繰り返されていないものもあるとし、今回は1939年と違い、誰も(編集注:独ソ不可侵条約のような)「犯罪的憎悪の協定」を締結しておらず、現在の侵攻が始まったらすぐに、ウクライナ国民は「真の友人、兄弟から、真の支援を受け取っている」とし、さらにはその「友人たち」が強力な後援となり、ウクライナが勝利を達成するのを支援すべく、あらゆることを行っていると強調した。
同氏は、「私たちは、ウクライナ人、ポーランド人、欧州の全ての民が自由に生きられるよう、私たちの民、全ての欧州人、全ての人のあらゆる世代が、露シズム(編集注:ロシア+ファシズムの造語)が何をもたらしたのか、ロシアの死刑執行人が何で罰されるのかを記憶することになるよう、あらゆることを行う。私たちは、9月1日の朝、6月22日の朝、2月24日の朝が繰り返されることのないよう、あらゆることを行う。憎悪が完全に敗北するよう、あらゆることを行う」と発言した。
最後にゼレンシキー氏は、ポーランドの人々とドゥダ・ポーランド大統領に対して、ポーランド語で挨拶を行った。
なお、1939年9月1日、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻することによって、第二次世界大戦が始まった。これにさかのぼる1週間前、ナチス・ドイツとスターリン政権下のソ連が不可侵条約(モロトフ=リッベントロップ協定)を締結していた。この協定には、欧州をドイツとソ連が互いの勢力圏で分割する内容の秘密議定書が含まれていた。
写真:大統領府