「『これはプーチンの戦争であり、他は皆無実』という主張は過去のもの」 宇外相、EUによる対露国民査証発給制限決定にコメント
クレーバ外相がキーウ(キエフ)を訪問したコフォズ・デンマーク外相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ氏は、ロシア国民への査証発給制限の決定は全体の流れの中で見るべきだとし、EU外務理事会の決定が下された8月31日の朝の時点、同会合の開始時点では、決定案はロシア国民査証発給緩和協定の効力停止のみという内容だったと指摘した。
その上で同氏は、「しかし、難しい議論とEU外相たちと私の意見交換の結果、小さな作業部会が作られ、その決定を著しく改善したのだ。結果として、昨日(8月31日)、EUの対露査証政策の変更につき政治的合意に達した。つまり、協定の効力停止のみではなく、複数のその他の行為が定められることになった。それらは、昨日の決定がしかるべく善意で全てのEU加盟国に履行されたら、その決定はウクライナが望んでいたものに最大限近づくものになる、と言うことができるものだ」と発言した。
同時に同氏は、「悪魔は細部に隠れるもの」と述べつつ、昨日は正しい決定が採択されたが、履行時の詳細によっては決定の効力が破壊される可能性もあると指摘し、「だからこそ、私は、履行が重要だと強調している」と述べた。
加えて同氏は、昨日の議論で最も重要な変化は、現在の戦争は「プーチンの戦争であり、他は皆無実」という主張が過去のものとなったことだと強調した。同氏は、「それは非常に重要だ。なぜなら、今後は、ロシアの侵略の受け止め方において、その障壁がなくなり、私たちは、はるかに強力な決定を採択することができるようになるからだ」と発言した。
これに先立ち、8月31日、プラハでのEU外務理事会非公式会合において、対露査証体制緩和協定の効力停止に関する政治的合意が達成された。これにより、今後、ロシア国民対する新たなシェンゲンビザの発給は著しく減少し、その取得はこれまでよりも困難になるという。