ウクライナ、イラン大使の認証を取り消し イラン製無人機を使った露軍攻撃受け
ウクライナ外務省が声明を発出した。
声明には、「ウクライナ領内でのイラン製武器のロシア軍による使用事例への緊急対応策を実施せよとのウクライナ大統領の指示を受けて、9月23日、ウクライナ外務省に在ウクライナ・イラン・イスラム共和国臨時代表が召喚された」と書かれている。
その際、イラン側には、イランによるロシアへの武器の供与、ロシア軍によるウクライナ民間人やウクライナ戦力への使用がイラン政権首脳陣が公的に宣言してきた中立、ウクライナの主権・領土一体性への尊重に真っ向から反していることが伝えられたという。
声明には、「ウクライナに対する戦争遂行のためのロシアへの武器供給は、非友好的行為であり、ウクライナ・イラン関係に深刻なダメージをもたらす」と強調されている。
その上で外務省は、今回の行動への対応として、ウクライナ側は駐ウクライナ・イラン大使の認証を取り消し、在ウクライナ・イラン大使館の外交官数を著しく削減する決定を採択したと発表した。
これを受けて、24日、イラン外務省のカナーニ報道官は、ウクライナは「両国間の関係を破壊しようとする第三者の影響を受けることを控えるべきだ」と述べた。ロイター通信が報じた。
またカナーニ報道官は、ウクライナの決定は「未確認の報告に基づいており、外国関係者によるメディア上の誇大宣伝の結果」だと発言した。
さらにこれに対して、24日、ニコレンコ・ウクライナ外務報道官は、二国間関係破壊の全責任はイラン政権が負っているとコメントした。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ニコレンコ氏は、「(編集注:本件における)唯一の『第三者』は、ウクライナがすでに自国領空で直接撃墜しているイランの無人機である。テヘランが、ウクライナとの関係の破壊の全責任を負っている」と強調した。
同氏はまた、「イランは、ロシアに対する、ウクライナ国民殺人のための武器の供給を速やかに止め、『外部の影響』に関するファンタジーで自らを正当化するのを止めるべきである」と伝えた。
23日、ロシア軍がウクライナ南部のオデーサ市に対して黒海側から発射した自爆型無人機で攻撃を行い、その結果、建物4軒が破壊、住民1名が死亡、1名が負傷した。また同日、ドニプロペトロウシク州での同無人機を使った攻撃が確認されている。
ゼレンシキー宇大統領は、23日、ロシア軍保有イラン製自爆型無人機シャヘド136をウクライナ空軍が6機、海軍が1機撃墜したとしつつ、「私は、外務省に、この事実に対して強固な対応を取るよう指示した」と発言していた。