ロシアの穀物合意離脱発表、米EU国連がコメント
ウクルインフォルム
29日、ロシアが黒海に設定した穀物回廊を通じた農産物輸出の合意からの離脱を発表したことにつき、バイデン米大統領は「飢餓を増やす」ものであり「言語道断だ」と発言した。
米ブルームバーグが報じた。
バイデン氏は、ウクライナからの穀物輸出を可能とする国連主導の合意からのロシアの離脱発表につき「純粋に言語道断」なものだとし、それは「飢餓を増やす」ものだと批判した。
また、欧州連合(EU)のボレル上級代表は、ツイッター・アカウントにて、ロシアの発表につき、「ロシアによる黒海合意参加停止の決定は、ロシアの対ウクライナ戦争により生じたグローバルな食糧危機解決のためにとても必要とされている穀物と肥料の輸出の主要な輸出ルートをリスクに晒す」と指摘した。
その上でボレル氏は、EUは、ロシアに対して同決定を破棄するよう要請すると伝えた。
また、英テレグラム紙は、国連事務総長のデュジャリク報道官が、同穀物合意の参加者たちに対して、合意実現を妨げ得る行為を控えるよう呼びかけたと報じた。
デュジャリク報道官は、「黒海穀物イニシアティブは、世界中の何百万人の人々にとって食糧へのアクセスに肯定的インパクトを明らかにもたらしている、重要な人道的取り組みであり、全ての関係者が同合意を危険にさらすような行動は控えることが決定的に重要だ」と発言した。
なお、ウクライナのゼレンシキー大統領は、今回のロシアの発表を受け、ロシアは9月の時点ですでに、農作物を載せた貨物船の航行を妨害することで食糧危機を意図的に悪化させ始めていたと指摘している。
写真:ウクライナ・インフラ省