チェコ政府代表団がキーウ訪問 ウクライナ大統領らと会談
ゼレンシキー大統領とフィアラ首相が会談後記者会見を行った。ウクライナ大統領府広報室が会談内容を公表した。
ゼレンシキー氏は、会談後記者会見時、ロシアがウクライナの民間インフラ、特に電力施設を攻撃している際にウクライナを訪問することの重要性を指摘した。同氏は、「今朝だけで、ロシアのミサイル50弾だ。首相は、そのようなテロが何を意味するか、どのような被害をウクライナに、民間人にもたらしているかを直接目にした。私は、ペトル(フィアラ首相)、あなたたちが、ロシア・テロの被害を克服することを目的に私たちの国に支援を提供してくれた支援、サポート強化の準備、ロシアに対する圧力強化の準備につき感謝している。ロシアは、テロによって毎日自らを国際関係から切り離している」と発言した。
ゼレンシキー大統領とフィアラ首相の共同記者会見の様子 写真:ルスラン・カニュカ/ウクルインフォルム
また、ゼレンシキー氏は、同日フィアラ首相と、テロを受けた対露制裁の強化、同国の責任の追及についての行動を調整したと伝えた。同氏は、「つまり、ロシアのウクライナに対する侵略犯罪の特別法廷と、ロシアの戦争による被害をロシアの資産によって補償する国際補償メカニズムの設置だ」と発言した。
発表によれば、双方は、防衛協力についても協議したとし、特に防空システムとミサイル防衛の強化、ロシアがイランから購入した無人機からの防衛について話し合った。また、双方は、ウクライナ軍人の訓練と軍事機材の建造・修理のプロジェクトへのチェコの関与についても協議した。
さらに、双方は、ウクライナ復興についても詳細に協議を行った。ゼレンシキー大統領は、「私たちは、チェコが私たちの国の復興政府計画を採択したこと、ドニプロペトロウシク州の(復興)監督を行う準備があることを評価している。私はまた、チェコにすでにロシアテロリストによって破壊されたり、損傷したりした具体的な施設の修理のために活動する準備のあることに感謝している」と発言した。
その他、チェコが欧州連合(EU)理事会議長を努めていることに関連して、EU内での連携についても協議したという。ゼレンシキー氏は、EUからのマクロ財政支援の拠出、ウクライナの欧州統合プロセス促進におけるチェコのサポートに謝意を伝えた。
フィアラ首相は、訪問当日に行われた、ロシア軍によるキーウやその他のウクライナの町への大規模な攻撃につき、それはウクライナの人々が毎日経験していることを示し、どのようなウクライナサポートの行動が喫緊なのかを明確に示すものだと発言した。
フィアラ氏はまた、民主的価値、自由、領土一体性の防衛において示しているウクライナの人々の勇敢さを指摘した。同氏は、「私たちは今後もウクライナをサポートしていく。なぜなら、私たちは、ウクライナ東部にて、ロシアの行動と政策はがいよいよ攻撃的になっているからだ。その攻撃的政策は、エネルギーインフラへの攻撃にも見られる。私たちは今日もそれを観察している。それは、軍人のみでなく、苦しみを覚える民間人にも関係するものだ」と発言した。
同氏はまた、ウクライナに対して、軍事、人道、経済の支援を提供することの重要性を強調した。さらに同氏は、ウクライナが西側機構、北大西洋条約機構(NATO)とEUへの明確な加盟展望を得られるようにすることが目的だと述べ、チェコはそれらの問題においてウクライナが頼ることのできるパートナーだと強調した。
また同氏は、チェコがEUにおける議長国を担う際に、ウクライナは優先課題となると明言した。
その他、フィアラ首相は、シュミハリ宇首相との共同記者会見時に、ハルキウ州とドニプロペトロウシク州へのディーゼル発電機供与のために総額2000万コルナ(約81万7000ユーロ)相当の発電機を提供すると発表し、また同国はドニプロペトロウシク州の戦後復興に関与していくと発言した。