ロシアがウクライナとポーランドを揉めさせるために事件を計画した可能性は排除されない=ポーランド首相
モラヴィエツキ・ポーランド首相が国家安全保障会議会合時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
モラヴィエツキ氏は、15日にロシアがウクライナ領に対して大規模なミサイル攻撃を行った際、ミサイルの多くがウクライナ西部にて着弾しており、その中にはポーランド・ウクライナ間国境付近への着弾もあったと指摘した。そして同氏は、そのことがロシアがポーランドを挑発する上での理想的な状況を作り出していると発言した。
また同氏は、今日、ポーランド領に落下したミサイルはウクライナ軍の装備のものだった可能性があることが判明しているとしつつ、同時に「いかなるシナリオも排除はできない」とも発言した。同氏は、「私たちは、ロシア人がプロパガンダを利用できることだけでなく、彼らがある種の行動を計画する能力があることも、非常によく知っている。それら全てがロシアのウクライナに対する残虐な戦争の中で起きていることは、常に認識しておかねばならない」と指摘した上で、そのためヘルソンを早足に撤退したロシアが、ポーランドとウクライナの間に揉め事を起きることを目的として、そのような出来事を組み立てたがっていた可能性はあると発言した。
その他同氏は、ポーランドの全ての当局は本事件に関して、国家の安全を保証する準備ができていると発言した。
これに先立ち、ロシア軍が15日にウクライナ全土を大規模にミサイル攻撃し、その結果、各地の電力インフラや民間住宅への着弾が確認されていた。同時に、同日、ポーランド領内でウクライナ国境付近のプシェヴォドゥフ村にて、穀物乾燥機の近くで爆発があり、結果、2名の住民が死亡したことが報じられていた。
ポーランドのドゥダ大統領は16日、ポーランド領に着弾したミサイルがロシア軍により北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して意図的に発射したものであることを示す兆候は一つもないと発言している。さらに同氏は、「それが不幸な事故だったというのが、最も可能性がある」と発言し、おそらくそのミサイルはウクライナの防空システムの一部だったと補足した。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は同日、暫定的な分析が示しているのは、ポーランド領に落下したのはロシアの攻撃から守ろうとしたウクライナのミサイルだということだとしつつ、しかし本件では、ウクライナはロシアの大規模攻撃から身を守っていたのであり、ウクライナに罪はないと発言した。