ゼレンシキー宇大統領、政府に文化相の交代の検討を要請 文化相は辞表提出
ゼレンシキー大統領は、同日夜の動画メッセージにて文化プロジェクトへの国費使用に関する見解を述べた。
ゼレンシキー氏は同日今日、シュミハリ首相と予算支出について検討すべき問題についても話したとし、「このような戦争の時には、国家の注目は最大限、防衛に向けられるべきで、つまり国家リソースも防衛に向けられるべきである。明白なことだ。予算外リソースで実現可能なプロジェクトは、予算外リソースで実現されるべきである」と発言した。
同氏はまた、文化分野のプロジェクトでも国家予算外のリソースを模索すべきであり、博物館、文化センター、紋章、テレビ番組は重要ではあるが、現在は別の優先課題があるのであり、前述のものには国家予算以外の資金を見つけるべきだと主張した(編集注:トカチェンコ文化・情報政策相は、新しいホロドモール博物館の完成に5億フリヴニャ以上が拠出されることは適切だと主張し、社会から批判を招いていた。また同様に、文化・情報政策省が主導する、キーウ市内の「祖国の母」像の盾の紋章の変更も、高額な変更費用により、批判を集めていた)。
その上でゼレンシキー氏は、「私は政府に二つのことを提案した。1つ目は、今本当に必要なプロジェクトのための国家予算外の資金を見つけること。世界には、支援できる人々がいる。2つ目として、私は首相にウクライナ文化・情報政策大臣の交代の検討を要請した」と伝えた。
また、トカチェンコ文化・情報政策相は21日未明、テレグラム・チャンネルにて、シュミハリ首相に辞表を提出したと発表した。
トカチェンコ氏は、「戦時下の文化の重要性に関する誤解の波を受け、今夜、私は、首相に辞表を提出した。その後で大統領の本件に関する発言に驚くことになった」と書き込んだ。
同氏はまた、戦時下であっても文化は重要だとし、その理由として「これは、領土をめぐるだけではなく、人をめぐる戦争だからであり、人とは記憶、歴史、言語、戦争の中でも存在する創造性、遺産、未来のための過去だからだ」と主張した。
さらに同氏は、戦時下では、無人航空機だけでなく文化へも民間の資金が向かうことが重要だとし、「なぜなら文化は、私たちのアイデンティティと私たちの国境の盾だからだ。それが私の他者に対する原則的立場である」と書き込んだ。
写真:大統領府