中国はウクライナの主権と領土一体性を今も完全には支持していない=欧州委員長
フォンデアライエン欧州委員長がフィリピン安全保証フォーラムでの演説時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「安全保障の話から始めさせて欲しい。フィリピンは、国連、ASEAN、世界貿易機構(WTO)の創設国として、ルールに基づいた世界秩序の建設を支援している。そして、昨年、ロシアが戦車をウクライナへ送り込んだ時、あなた方は世界秩序の防衛を支持した。EUもフィリピンも、140以上の国々とともに、主権ある独立した国連加盟国に対するロシアの侵略戦争を明確に非難したのだ」と発言した。
また同氏は、EUの人々は「必要な限り、ウクライナを支持し続け、国連憲章を守り続ける」と明言した。
同時に同氏は、「しかし、国連安全保障理事会のもう1つの常任理事国、中国が、今もまだウクライナの主権と領土一体性の支持という国連憲章上の自らの責任を完全には果たしていないのだ。それは、あなた方の地域における中国のいよいよ独断的なスタンスを背景に起きていることだ」と発言した。
さらに同氏は、欧州は中国に対して、排他的経済水域内の他国の主権的権利を尊重するよ常に呼びかけているとしつつ、「中国の南シナ海と東シナ海と台湾海峡での軍事力の誇示は、フィリピンやその他私たちの地域のパートナーへと直接的に影響をもたらしている」と発言した。
同氏は、アジアの地域的安定性の弱体化はどんなものであれ、「グローバルな安全保障、自由な貿易の流れ、地域の私たち自身の利益に影響を及ぼす」と述べた。さらに、「つまり、ウクライナについて話そうが、南シナ海について話そうが、私たちの安全保障は結びついているのだ。正にそのために、EUはインド太平洋地域への関与を強めているのだ。私たちは、自由で開かれたインド太平洋を推進し、国際法への尊重を強め、グローバルな課題に対処することを目指している」と発言した。