サウジアラビアでのウクライナ和平会合ではどの国が「平和の公式」のどの項目を履行するかを話し合う=ウクライナ大統領府
ジョウクヴァ副長官がニュースサイト「ラジオ・スヴォボーダ」へのインタビュー時に発言した。
ジョウクヴァ氏は、「グローバルサウスの国々がウクライナの『平和の公式』の10項目全ての組織には加わらないことは全くもって予想可能なことだ。それは全くもって普通のことだ。そのため、ジッダの会合の課題の1つは、それぞれの項目の共同組織国ないし共同主導国について、国々の間で責任の分担を行うことである。例えば、もし中国が『核の安全』について話すのであれば、中国は『核の安全』についての(平和の公式の)第1項目の共同主導国となり得る。もしブラジルが環境問題について心配しているなら、同国は第8項目(編集注:環境破壊行為対策の項目)の共同主導国、共同組織国になり得るわけだ。それは普通の実践である。私たちは、各国の立場の違いは理解している」と発言した。
同氏はまた、どの国の首脳もウクライナの「平和の公式」の必要性に対して反対は表明していないと強調した。さらに同氏は、「そして、注意を向けてもらいたいのは、現在いわゆる代替案、平和に関する意見が語られることがどんどん減っていることである。そのため、ウクライナ側は、その『平和の公式』に関する作業を続けつつ、パートナー国の合理的な願望を考慮しているのだ」と指摘した。
なお、8月5、6日、サウジアラビアのジェッダにて、ゼレンシキー宇大統領提案の和平案「平和の公式」にもとづいた重要平和原則についての協議を行う、第2回首脳補佐官級会合が開催され、約40か国が参加すると発表されている。
同会合は、6月24日にコペンハーゲンにて開催された、G7、ウクライナ、デンマーク、トルコ、南アフリカ、インド、ブラジル、サウジアラビアの国家安全保障・政治問題首脳補佐官が平和の重要原則に関する会合の次期会合にあたるもの。日本からは秋葉国家安全保障局長が参加していた。
なお、「平和の公式」とは、ロシア・ウクライナ戦争の平和を確保するために実現が必要な、(1)核の安全、(2)食糧安全保障、(3)エネルギー安全保障、(4)全ての被拘束者と追放された人の解放、(5)国連憲章の履行とウクライナの領土一体性と世界の秩序の回復、(6)ロシア軍の撤退と戦闘の停止、(7)正義の回復、(8)環境破壊行為対策、(9)エスカレーションの防止、(10)戦争終結の確認、の10項目からなるウクライナが提案している和平案のこと。同案は、ゼレンシキー宇大統領が、2022年11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に提案した。
写真:ウクライナ30