米専門家、凍結されている露資産のウクライナへの譲渡の必要性を主張
ウクルインフォルム
米国の著名記者アン・アップルバウム氏は、国外で凍結されているロシアの資産をウクライナの復興のために譲渡することを先延ばしにすることは、プーチン露大統領による今次戦争の勝利の確信を強めているとして、その資産をウクライナに譲渡することの必要性を主張した。
アップルバウム記者が米アトランティック誌に論考を寄稿した。
論考には、「ワシントンとブリュッセルの(編集注:資産の譲渡に関する決定採択に関する)不能は、プーチンによる戦争には西側が諦めるのを待つだけで勝つことができるとの確信を強めている。ロシアの3000億ドル(編集注:約43兆円強)の資産をウクライナへ譲渡することは、その確信を弱めることになる」と主張されている。
アップルバウム氏は、西側では、ロシアの資産の接収を行うことが米ドルへの信頼を弱め、人々、企業、国家が米ドルで資金を保管したがらなくなることが恐れられていると指摘した。同時に同氏は、すでに最初の一手としての資産の凍結は行われていると喚起した上で、どうして彼らは行動しないでいるのか、との問いを投げかけている。
さらに同氏は、ウクライナにロシアの凍結資産を明け渡すことは、西側は戦争に勝つためには、通常とは異なる、先例のない取り組みであっても行う準備があることをプーチンに示すことになると指摘しており、それは現在ロシアを見ながら、侵略行為は不処罰となり得ると考えている他者にも影響を及ぼすことになるとも補足している。
その上で同氏は、「資産明け渡しが西側にどのような評判上のダメージを与えようとも、それは、ロシアがウクライナを制圧できる場合に西側が負うことになる評判上のダメージに比べれば、些細なものである。私たちがその決定を採択するのが早ければ早いほど、現地で生じる結果も早くなるのだ」と主張している。