ウクライナにとって「凍結された紛争」は受け入れられない=大統領側近
イェルマーク大統領府長官がダボスにて、ウクライナ和平案「平和の公式」実現に向けた第4回首脳補佐官級会合の総括記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
イェルマーク氏は、「何よりまず、ウクライナ大統領もそのチームも凍結された紛争は決して受け入れないし、同意することはない。それは、ウクライナ社会にとって受け入れられないものだ。ウクライナ国民は毎日この戦争の条件下を生きており、眠りに就く時には、(編集注:朝になった時に)目を覚ませるかを確信できずにいる。ほぼ毎日毎晩、ロシアのミサイルと無人機の攻撃が続いている。あなた方は、12月29日と1月2日に何が起きたか見たであろう」と発言した。
記者から、米国の大統領選挙がウクライナ支援にもたらし得る影響について質問されると、イェルマーク氏は、ウクライナ代表団、ゼレンシキー大統領自身が昨年末に米国を訪れ、ホワイトハウス、米議会、国務省で会談を行い、専門家らと充実した対話を行ったことを喚起した上で、状況が改善することを期待するだけの根拠を与えていると伝えた。
その際同氏は、「私たちは、最終的には、(編集注:米国で)ウクライナ支援を含む新しい予算の採択が行われると期待しているし、そう信じている。私はまた、欧州の友人たちによる500億ユーロ採択可能性(編集注:EUによる2024年〜2027年対ウクライナ支援」の採択可能性も非常に肯定的に見ている」と発言した。
その他同氏は、過去2年間の残酷な戦争の中、ウクライナは国家も国民もロシアの侵略に勝利することができることを証明したと指摘した。同氏は、「私が『勝利を確信している』と述べる時には、多くのことを思い出している。私たちは、(編集注:ロシアの全面侵攻が)始まってから数か月後に武器や弾薬を受け取り始めたのだが、しかしその間も私たちの人々、私たちの勇敢なネイションは、キーウ州を解放し、ロシア軍を止め、彼らに私たちの領土をさらに占領させないだけの能力を有していた。私たちはすでに2022年2月24日以降に占領された領土の約50%を解放した。私たちは、実質的に、ロシア黒海艦隊のあらゆる活動を制止した。艦隊はクリミアから他の場所に拠点を移動した。私たちは、ロシアの脅迫に屈せず、現在も機能している、穀物回廊を開通させた」と伝えた。
さらに同氏は、過去1年ウクライナはロシアに対して新しい町を占領させなかったとし、現在アウジーウカとバフムートの周辺で激しい戦いが続いているが、それらは全面戦争が始まるまでは世界のほとんどの人が知らない小さな町であったところ、現在では強靭さのシンボルとなったと発言した。また、バフムートだけで、「ヴァグネル」傭兵が2万人以上殲滅されたとし、現在の対ウクライナ全面戦争の中でロシアの損耗は10万人に当たると述べた。
その上で同氏は、「よって、これは私の勝利への単なる『信念』ではないのだ。ウクライナもウクライナ国民も過去2年間で、私たちが勝利できることを示したのだ。それは、言うまでもなく、私たちのパートナーと友人の支援と支えを受けてだ。私は、その支えと支援が続くことを確信している」と強調した。
なお、14日、スイスのダボスにおいて、ウクライナが提案する和平案「平和の公式」の実現に向けた第4回首脳補佐官級会合が開催された。同会合には、81の国・国際機関の代表団が参加し、10項目ある「平和の公式」の内の5項目を扱う作業部会会合を開いた。
写真:イェルマーク大統領府長官(テレグラム)