強国が隣国を獲物とみなさないようにするにはプーチンの戦略を成功させてはいけない=ボレルEU上級代表
ウクルインフォルム
欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表は7日、現代世界において誰が正しいかを力が決めてはならないのであり、だからこそプーチンの戦略は成功してはならないのだと発言した。
ボレル上級代表がウクライナ最高会議(国会)会合での演説の際に発言した。
ボレル氏は、「EUは、誰が正しくて誰が正しくないのかを力が定めることは望まない。強国がより弱い国を獲物とみなさないようになるには、プーチンの戦略が成功してはならない。なぜなら、それが成功したら、その場合はロシアやその他の専制体制が彼らの隣国に対して同じようなことを計画するかもしれないからだ」と発言した。
同氏はまた、ロシアは、自らのアイデンティティの植民地的ビジョンを切り離すことができていない帝国主義的政権のままだと指摘した。そして、「そのロシアのアイデンティティ問題が解決しない限り、それは全ての隣国と欧州にとっての脅威であり続けていくのだ」と強調した。
さらに同氏は、チェコの作家ヴァーツラフ・ハヴェルによる「ロシアは自らがどこから始まり、どこで終わるのか分かっていない」との言葉を引用し、「国がどこから始まり、どこで終わるのかわからないのであれば、隣国にとってはそれが甚大な挑戦を生み出してしまう。そして、プーチンは、それを認めており、選挙に向けたプロパガンダでも、ロシアの国境は終わらない、ロシアの国境に果てはない、と述べている。ロシアがその問題を解決しない限り、ロシアの政治体制が現在のようなままである限り、同国は権威主義的でナショナリスティックで、残念ながら、暴力的であり続けるだろう」と発言した。
これに先立ち、ボレルEU上級代表は、6、7日にキーウを訪問していた。
写真:最高会議