ボレルEU上級代表、ロシアが3月の「選挙」の数か月後に攻勢を仕掛ける可能性指摘
ボレル上級代表が欧州対外行動庁ウェブサイトにブログ記事を掲載した。
ボレル氏は、「3月のロシアの『選挙』後の数か月後にロシアのさらなる大規模攻勢が始まるかもしれない。しかし、私はウクライナの人々に戦い続ける決意があることを知ったし、彼らの創意工夫と強靭さを目にした」と書き込んだ。
同氏はまた、ロシア兵と違い、ウクライナ兵は「何のために戦っているかを知っており、動機は不足していない」と指摘した。
そして同氏は、「ロシアの攻勢に対抗するための手段をウクライナに提供するために、EUと加盟国が今後数か月の間に行うことは、ウクライナにとってもEUの安全保障にとっても決定的な意味を持つ」と強調した。
同氏は、EU加盟国に対して、自国防衛産業とともに契約の再交渉の作業を行い、ウクライナへの武器と弾薬の供与を優先するよう呼びかけた。
さらに同氏は、ロシアのミサイルが「軍事的目的を一切持たない」とし、ウクライナへさらなる防空システムの供与が喫緊の優先課題だと伝えた。
加えて同氏は、ウクライナは「民主主義と権威主義体制」の間の前線に位置していると指摘した。
そして同氏は、「もしプーチンがウクライナで勝利すれば、私たちの安全保障は大きなリスクに晒される。だからこそ、私たちはパラダイムを『必要な限り』ウクライナを支援するというものから、戦争に勝利し、平和を勝ち取るために『必要なあらゆるものでもって』ウクライナを支援することにコミットする、というものへと転換する必要がある」と強調した。また同氏は、「ウクライナは勝てない」「プーチンをなだめるべき」という主張には反対する必要があるとも指摘した。
これに先立ち、ボレルEU上級代表は2月6、7日にキーウを訪れていた。ボレル氏は、7日も、EUはウクライナ支援のパラダイムを変えて、「必要な限り」支援するのではなく、ウクライナがロシアとの戦争に勝利するのに必要な全ての物を供与しなければならないとの見方を示していた。
ボレル氏はまた、7日、ウクライナ最高会議でも演説を行い、強国が隣国を獲物とみなさないようにするにはプーチンの戦略を成功させてはいけないと訴えていた。