「どんな代償を払ってでも」ウクライナを支え続けることが唯一の賢明な解決策=セジュルネ仏外相
セジュルネ外相が仏ルモンドへの寄稿文にて主張した。
セジュルネ氏は、「ロシア勝利の代償は私たちの社会にとって受け入れられないものだ。ロシアはウクライナで満足しないだろう。モスクワの勝利は、同じ手段での拡大主義的幻想の継続へとウラジーミル・プーチンを駆り立てるだけであろう」と指摘した。
また同氏は、ウクライナ支援のために注がれている努力につき、それが失敗した場合に生じる場合にフランスや欧州を待ち受けることの損害はかつてないものとなると指摘した。同氏は、「ウクライナでのロシアの勝利を許してしまえば、同国に悪質な脅迫を続けることを促すことになる。欧州、世界、フランスの人々は、かつてないほどの経済的ショックに見舞われるかもしれない。ロシアにウクライナの黒土を奪わせてしまえば、食糧主権を放棄し、果てしないインフレを受け入れ、ロシアに前例のない圧力と恐喝の手段を与えることを意味し得る」と発言した。
さらに、同氏は、ロシアがウクライナの黒土を奪えば、世界の小麦輸出の30%以上がロシアに奪われることになり、ザポリッジャ原発が接収されれば、欧州は国の脅迫に恒常的に晒されて生きることになることを喚起した。
そして同氏は、ロシアはウクライナを国家として否定しながら、欧州の安全保障秩序を破壊したがっているとし、「もしロシアがウクライナで前進したら、私たちを待ち受けるのは絶え間ない脅迫、毎日の不安定か、戦争の継続の可能性である。危険は、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の境界線では止まらない。私たちの東欧の同盟国・友好国は、すでにそれと直面している」と強調した。
同氏は、仮にプーチンが勝利すれば、「私たちの大陸には、最悪の蛮行が不処罰で生じるようになり、それが私たちの国々を再び血塗られた大地に変えてしまうであろう。その他の攻撃的な国々が自らの目的達成のために迷うことなく力を行使するようになる」と発言した。
その上で同氏は、「どんな代償を払ってでも」ウクライナを支え続けることが唯一の賢明な解決策だとし、フランスや欧州が現在ウクライナとともに払っている努力は賢明なものだと訴えた。
そして同氏は、国民に対して、ウクライナには欧州の未来がかかっているとし、疲れや無関心に屈しないよう呼びかけた。