ウクライナ国会の防衛委員会は動員法案の審議を27日に開始=議員

ウクライナ国会の防衛委員会は動員法案の審議を27日に開始=議員

ウクルインフォルム
ウクライナ最高会議(国会)安全保障・防衛・情報委員会のコステンコ書記(野党会派「声党」議員)は23日、同委員会は来週火曜日(2月27日)に第二読解に向けて通称「動員法案」の作業を始めると発言した。

コステンコ委員会書記がウクルインフォルムにコメントした。

コステンコ氏は、「委員会は火曜日(編集注:2月27日)から動員法案審議を始める」と発言した。

同時に同氏は、現時点で同法案に対する修正提案が4007件出されているとしつつ、案の集計はまだ続いていると伝えた。

さらに同氏は、同意委員会の委員たちは来週末までに第二読解投票のための法案作業を終えるつもりだとしつつ、「しかし、確実なことは誰も知らない。委員会は、そのような数の修正(案)の審議を審議した経験がない」と発言した。

これに先立ち、ウクライナ最高会議は2月7日、第10449「軍役、動員、軍籍の個別問題に関する複数のウクライナ法の改正法案」、通称「動員法案」を第一読解で採択していた

第一読解時点の同法案主要点は以下のとおり。これらは第二読解採択までに修正が加えられる可能性がある。

・徴兵年齢の27歳から25歳への引き下げ。

・オンラインの徴兵者、兵役義務者、予備役用の「電子キャビネット」への登録義務導入(「電子キャビネット」は軍役登録リスト「オベリフ」をベースに作成される)。

・兵役義務者は動員日から60日間以内に各地の「政府サービス提供センター」、オンラインの「電子キャビネット」、あるいは滞在地・居住地の地域採用・社会支援センター(徴兵機関、以下「地域採用センター」)を通じて、自身の登録情報を確認することが義務付けられる(編集注:これまでと異なり、個人情報の更新をオンラインでも行えるようになる)。

・地域採用センターの許可がなくても、別の自治体へ引っ越すことが可能となる。他方で、引っ越し後には、新しい住所での登録が必要。

・「電子キャビネット」を通じて、地域採用センターへの出頭令状を送付することが可能となる。出頭令状を受領日は、令状の送達日あるいは電子キャビネットでの受領日となる。

・国民が出頭令状の受領日から10日以内に地域採用センター(国外の場合は、ウクライナの外交代表部)へと出頭しなかった場合、地域採用センターは当該国民への各種一時的制限につき裁判所に申し立てを行う(地域採用センターの要求を履行するまでの期間の出国権利、交通手段の運転権利の制限、財産凍結)。

・戒厳令下における軍役期間の明確化:

・志願して動員された者(以下、志願兵)は、個人的問題の解決と動員の準備のために2か月間の猶予期間を得る。

・動員後、全ての国民が2、3か月の義務的軍事訓練を受けなければならない(動員後すぐに前線に送られてはならない)。

・若年者徴兵が廃止され、代わりに基本的軍事訓練が導入される。18〜24歳の人物は、自分で軍事訓練を受ける時期を選択できるようになる。訓練期間は、最大で5か月間。その間、訓練を受ける人物の職が維持される(現行法ではその点の規定なし)。

・刑期を終えた有罪判決者は、希望すれば動員期間中に軍役に就く権利が与えられる。

・戒厳令下、軍人は、年間30日間の「基本休暇」を取得する権利が生じる。休暇は、分割して取得できるが、1回に15日以上でなければならない。また、家族の状況やその他の正当な理由のある場合、有給での休暇も、10日以内で与えられる。

・捕虜から解放された軍人は、軍役を続けることを決めた場合、追加で90日間の有給休暇が与えられる。

・軍人は、戒厳令下で36か月間継続勤務をした場合、(軍役継続の意思表示がない場合は)任期満了で解任可能となる。

・定められた規定内で高等教育を受けている者や教育従事者、研究者は、徴兵対象外となる。

・全種の障害を持つ者が軍役対象外となる。

・3人以上の児童を持つ女性と男性、および、18歳未満の児童を持つ1名の親(一方の親が死亡、親権剥奪、あるいは行方不明の場合)、様々な障害、病気を持つ児童の保護者、第1・第2障害を持つ児童の保護者、行動できない人物の保護者、第1・第2障害を持つ人物の一親等の家族は徴兵の対象外となる。

・戒厳令下および反テロ作戦期に近親者が死亡したあるいは行方不明となった人物は動員の対象外となる。

・1種(А種)公務員全員、2種(Б種)公務員と3種(В種)公務員の50%、特別期間の経済機能と住民の生活確保にとって特別に重要な企業、組織、団体で勤務する者は、留保対象となる(職務を遂行する)。

・動員期間中、軍役登録中あるいは軍役から外された18〜60歳のウクライナ国民は、軍役登録証を携帯せねばならず、地域採用センター代表者の権限を渡された者、警察官、国境警備庁職員の要求に応じてそれを提示せねばならない。

これに先立ち、昨年12月25日、ウクライナ閣僚会議(内閣)は、最高会議に対して、新しい動員法案(「動員、軍籍、軍役の個別問題の補完に関する法案」、法案番号第10378)を登録していた。

この法案は、ウクライナの政界や社会に多くの議論を呼び起こした。ウクライナのルビネツ最高会議(国会)人権問題全権は、同国政府が提出した新しい動員法案においてウクライナ憲法に反していると思われる項目を3つ指摘していた。

1月11日、同法案は、追加作業のために最高会議から閣僚会議に返却されていた。

ウクライナのカルミコヴァ国防次官は18日、新しい動員法案の主要な意図は、2022年2月からウクライナを防衛している人々を交代できるようにする条件を作るためだと発言していた。

ゼレンシキー大統領は、今月、動員問題は「公正さの問題」だとし、「戦争の初日からいる人々がおり、彼らが不平を述べている」「彼らを休ませてあげねばならない」「彼らは、他の者と交代する公正さを受けるに値する」と発言している。


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