ロシアの対ウクライナ全面侵略戦争開始から2年 ゼレンシキー大統領が演説
ウクライナ大統領府が動画を公開した。ウクルインフォルムが日本語に全訳する。
ウクライナに栄光あれ!
私は今、ホストメリにいる。
ここから、「3日間のキーウとウクライナの制圧」なるものが始まるはずだった。そのことは1行で語ることができよう。2年前、私たちはここで敵の空挺部隊を攻撃で迎え、その2年後、私たちはここで友人たち、パートナーたちと会っている。
G7議長のジョルジャ・メローニ伊首相、ジャスティン・トルドー加首相、ウルスラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長、欧州理事会議長のアレクサンダー・ドゥ=クロー・ベルギー首相。そして、これが私たちが2年間通った道とその時と今の「2月24日」の間の違いを象徴的かつ雄弁に描写している。
ご存知だろう。今日、一人一人のウクライナ人が無意識に「あの日」を思い出している。そして、一人一人に自分独自の「2月24日」がある。あの日の独特な記憶。どのように目を覚ましたか、誰が最初に「どうしてる?」と書いたのか、誰に最初に電話をかけたのか、誰を最初の強く抱きしめたのか、最も近しい人には最初に何と言ったのか。そして最も大切なことは「その後あなたは何をしたのか」。
何百万の様々なストーリーがあるが、しかし、多くの人に似たエピソードがある。それは、様々な年齢の、様々な職業の、様々な地域のウクライナ人が下した選択だ。そして、その選択は、まず軍事委員会へ続く行列の中で人々を団結させ、その後は、1つの前線の塹壕で団結させた。国を守るために。そして、国内で働くために残った者も、出国したが、後で戻ってきた者も(団結した)。
そうして、もう2年だ。私たちは、730日分、勝利に近付いた。ある者は、勝利がいつ実現するかを述べてくれるような賢者を待っている。何百万人のウクライナ人は、単に「コブザール」(編集注:詩人タラス・シェウチェンコの詩集)の言葉を覚えている。「戦え、さすれば勝たん!」そして、献身と勇気でそれを730日間実践しているのだ。彼らは、東部、南部、北部、私たちの戦士が戦うあらゆる方面で強くなっている。彼らは、全ての人々の町や村の抵抗となっている。そして今日、私たちの一人一人が身内に電話する。親しい人の声を聞き、互いに待ち望んでいるものの実現の祈念を伝える。そして、今日、私たち一人一人に、残念ながら、何も言うことのできない人がいる。哀悼を捧げる相手がいる。そして、皆が一緒に、頭を下げる。痛みの730日間。
しかし、同時に、願いの730日間でもある。戦争のはじめには私たち皆に異なるストーリーがあったが、しかし、この戦争の終幕は一つ、勝利でなければならないという、最高の正義への願い。この2年間のあらゆることを思い出しながら、他の形はありえなかったと理解している。ウクライナ人がすでに実現したことを思い出しながら、私たちは必ず実現できることを知る。私たちはできる。私たちは成功する。そして、ここ、この場所で、最もよく理解するのだ。金属は耐えられないかもしれないが、しかし、ウクライナ人は耐えられる。飛行機は燃やせるかもしれないが、夢(編集注:ウクライナ語で「ムリーヤ」)を壊すことはできないと。730日間私たちの一人一人が共に眠り、共に目を覚ました夢。あなたが抱えて眠った夢。私たち皆が。私たち国民皆が。全てのウクライナ人が。
最初の3日間を耐え抜いた民。そして、4日目にも倒れなかった民。5日目を戦い抜いた民。その後、ひと月。そして、6か月。そして、今や2年だ。自由を巡る戦い。信じられない人々の英雄的な命を巡る戦い。呼びかけで、私は常に、こう呼んできた。「偉大な国の偉大な民よ」と。
私は、一人一人を信じられないほど誇っている。私は、一人一人に感動している。一人一人を信じている。まともな人なら誰だろうと、戦争が終わって欲しいと思っている。しかし、私たちのウクライナ自体を終わらせてしまうことは、誰も認めはしない。
だからこそ、「終戦」という言葉に、私たちは「私たちの条件での」を付け足す。だからこそ、「平和」という言葉の隣には、常に「公正な」という言葉が響く。だからこそ、未来の歴史では「ウクライナ」という言葉のそばには常に、「独立」という言葉があり続けるのだ。そのことのために戦っている。もう私たちの人生は730日だ。そして、私たちは勝利する、人生の最善の日に。
私は、戦士たち皆に感謝している。私たちの民に感謝している。私たちと真実と一緒に立ってくれている世界の全ての人に感謝している。
ウクライナに栄光あれ!