マクロン仏大統領の「ウクライナ派兵」発言は支援のパラダイムを変えた=エストニア外相
エストニア公共放送(ERR)がツァフクナ外相の発言を報じた。
ツァフクナ氏は、露宇戦争にてウクライナが勝利するのを支援するためには、欧州連合(EU)諸国が「すでにある約束を履行し始めるべき」だと述べ、具体的に、ウクライナはまだ約束された100万弾の砲弾を受け取っていないことを喚起した。
また同氏は、「大切なのは行動と結果であり、言葉ではない。私たちは、自分の行動においてもっと勇敢でなければならない。なぜなら、ロシアの願望は変わっていないからだ。もしロシアが勝利すれば、ロシアはウクライナで止まらず、欧州の安全保障機構を変えるべく、北大西洋条約機構(NATO)の扉を叩くことになるだろう。かかっているのは、私たちの自由以外の何物でもない」と発言した。
そして同氏は、より勇敢かつ野心的になるべき時が来ていると指摘した。
加えて同氏は、「マクロン(仏大統領)による、ウクライナへと部隊を派兵する可能性を検討し得るとの発言は、パラダイムシフトだ。それは、ウクライナが勝利することの重要性を決定を採択する西側の政治家が理解したこと、彼らがより多くのことを行う準備があることを示している」と強調した。
その際同氏は、ウクライナへの派兵に関する政治的コンセンサスは今のところないとしつつも、それはいくつかの国の態度を変え、彼らはウクライナへ速やかに軍事支援を送ることになるかもしれないとし、なぜなら、直接介入よりは軍事支援の方がよりシンプルな決定だからだと説明した。その他同氏は、ウクライナへの弾薬供給問題に関しては、欧州の防衛産業からのみ供給すべきという原則が解除されたことを指摘した。
また同氏は、フォンデアライエン欧州委員会委員長がロシア中央銀行の凍結資産の利子をウクライナへの軍事装備購入のために利用することを呼びかけたことを喚起し、それは重要な方策となり得ると指摘した。
その上で同氏は、「ロシアは、ウクライナが勝利せず、ウクライナにもたらした損失が補償されない限り、一切の柔軟性はあり得ず、普通の関係に戻ることはないという明確なシグナルを受け取らなければならない。私たちは、時間がないのはウクライナや欧州や民主的な世界ではなく、侵略国の方であるということを、行動で示さねばならない」と強調した。
これに先立ち、2月26日、フランスのマクロン大統領は、ロシアが現在の戦争に勝たせないためにはあらゆることを行う必要があるとしつつ、将来的に欧州の部隊をウクライナに派兵する可能性を「排除すべきでない」との見解を示していた。
写真:err.ee