プーチンは一部の領土ではなくウクライナ全土をロシアに併合したがっている=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領がイタリアのRAI1局の番組へのインタビュー時に発言した。
ゼレンシキー氏は、「私は彼の目的がそれらの領土(編集注:クリミアとウクライナの南部・東部4州)だとは思っていない。私たちが見ているのは彼らの行動である。民間施設への攻撃、ミサイルによるウクライナ民間人への脅迫、彼らのメディア、プーチンの周辺人物、様々な公の場での発言、彼らの情報機関代表者や軍人や、彼ら全てのメッセージが、彼らは課題を履行し終えていない、彼らは今後もミッションを継続していくということを物語っているのだ」と発言した。
同氏はまた、ロシアがポーランド侵攻の例でヒトラーを正当化していることを喚起し、ポーランドがヒトラーを苛立たせたからヒトラーがポーランドを侵攻したと述べており、あたかもロシアとウクライナの現在の状況もそうであるかのように言及していると説明した(編集注:例えば、2月のタッカー・カールソンとのインタビュー時のプーチン露大統領の発言)。そしてゼレンシキー氏は、「それらメッセージは、彼の目的が個別の領土ではないこと、彼の目的がウクライナ全土であることを物語っている」と発言した。
さらに同氏は、今のところウクライナは、自国の軍事力と盟友的パートナーシップ以外に、何の保証も有していないと伝えた。
また同氏は、「私たちは、プーチンが何らかの領土だとか、町や村、あるいはクリミアやドンバスに関心を抱いているわけではないことを確信している。彼は、ウクライナの完全な破壊、独立ウクライナの領土全てをロシアへ組み込むことに関心を抱いている。そして、彼はそれを武力か、または政治的に行っている」と発言した。
そして、例として同氏は、プーチン氏はベラルーシを政治的手段で支配したとし、今のところベラルーシでは犠牲者や流血は出ていないが、プーチンはベラルーシで治安機関や軍をコントロールしていると述べた。
その際同氏は、「それは独立国家の外交的占領であり、ベラルーシの主権の喪失である。ウクライナでは、彼は政治的にそれ(編集注:政治的手段での支配)を実現できなかった。政治的計画が破綻したら、彼は軍事作戦を開始した。よって、クリミア計画とかドンバス計画などはないのだ。それは、単なるレトリックだ。彼の計画は、ウクライナから独立を剥奪することである」と強調した。
写真:大統領府