20か国の国会外務委員長、占領下ウクライナ領でのロシアの「選挙」を否定する共同声明発出
リトアニアのパヴィリオニス外務委員長がソーシャルメディア「X」アカウントで声明を公開した。
委員長共同声明には、それら「選挙」をロシアが占領するウクライナ領で実施することは、国際法、国連憲章原則に著しく違反し、ウクライナの領土一体性、主権、独立を侵害するものだと強調されている。
委員長たちは、いわゆる「選挙」をロシアによるさらなる挑発行為であり、ウクライナ領占領の合法化の試みだと指摘した。
さらに声明では、ウクライナへの全面侵攻開始後、ロシアは自国内で異なる政治的意見や報道の自由への弾圧を著しく強化したことが喚起されており、さらに潜在的な反戦争候補は大統領選挙への出馬が禁止されたと指摘されている。
その上で、「私たちは、被占領下ウクライナ領においてロシアにより実施されている選挙の合法性を明白に拒絶する。国際的に認められたウクライナ領におけるロシアのそのような行為は、全くもって不法であり、国際社会に認められることはない」と強調されている。
委員長たちは、ウクライナとの連帯を示した上で、同国の国際的に認められた国境内での完全な独立、主権、領土一体性を確認した。
声明に参加したのは、ウクライナ、ラトビア、リトアニア、エストニア、ルクセンブルグ、チェコ、ドイツ、モルドバ、ポーランド、イスラエル、米国、アイルランド、イタリア、アイスランド、ルーマニア、ベルギー、カナダ、デンマーク、スペイン、英国の外務委員長。
なお、ウクライナ最高会議(国会)は14日、一時的被占領下にあるウクライナ複数地域においてロシアが「大統領選挙」を行っていることに関して、世界各国の政府と議会、国際機関、議員総会に対する呼びかけ決議を採択していた。
日本の林内閣官房長官は11日、ロシアが「併合」を一方的に宣言したウクライナ国内の諸地域でロシアの「大統領選」の期日前投票が行われていることにつき、ロシアのこれらの地域の自国領への「併合」は決して認められず、強く非難するとの政府の立場を繰り返した上で、「こうした違法な併合に基づいて、これらの地域でロシアがこうした『選挙』を実施することもまた決して認められない」と発言していた。
英国防省は13日、ロシアが占領するウクライナ諸地域の「政権」は、違法なロシア大統領選挙について、実際に起きたこととは関係のない捏造した結果を発表する可能性が大きいと指摘した。