プーチンは「平和サミット」を破綻させつつ、別のプラットフォームを作ろうとしている=ゼレンシキー宇大統領
ゼレンシキー大統領がブリュッセルにおけるドゥ=クロー・ベルギー首相との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「プーチンは、その『サミット』を恐れており、それを失敗させようとしつつ、何らかの別のプラットフォームを作ろうとしている。そのため、まだ(編集注:『平和サミット』への出欠を)表明していない首脳たちがいるのだ。もしロシアを支持し得る者がいるなら、彼らは今戦争を支持しているということだ」と発言した。
また同氏は、ドゥ=クロー首相に対して、「平和サミット」への原則的支持につき謝意を伝えた。
さらに同氏は、「情勢展開のシナリオは2つしかない。真の平和、あるいは、さらなる戦争の拡大だ。私たちは、ロシアはその2つ目のシナリオのためにあらゆることを行っており、『平和サミット』を破綻させようとしていると見ている。私は、それを理解し、『平和サミット』で本当にロシアを平和へと向かわせられるようにあらゆることを行っている全てのリーダー、全ての国に感謝している。それは全くもって可能なことだ。全ては、世界の首脳がどれだけ覚悟を決めるかと、個々の国が本当に真の平和を確立したいのか、現在の状況で良いのか、つまり戦争で良いのか、のどちらを選ぶかにかかっている」と発言した。
「平和サミット」をバイデン米大統領が欠席するかもしれないということについて、ゼレンシキー氏は、「私はそれ(編集注:欠席)はあまり強力な決定ではないと思う」と発言した。
加えて同氏は、「私は、バイデン大統領本人が出席することを強く望んでいるし、米国が『サミット』を支持していることも知っているが、しかし、私たちもあなたたちも、どのようなレベルなのかは知らない」と発言した。
また同氏は、米国は非常に強力に支援してくれているが、しかし今は全てがシンプルだとし、「全ての世界が望む『平和サミット』が開催され、それからロシアが試みる何かが行われるのだ」と説明した。
そして同氏は、「私は、『平和サミット』にバイデン大統領が必要だと思っているし、米国の反応を見ている他の首脳にとっても必要だと思う。彼の欠席は、プーチンだけが拍手を送るだろう」と発言した。
その他同氏は、ウクライナは中国とブラジルの同「サミット」への出欠に関する返答を待っていると述べた。
また同氏は、現在ロシアは「孤独ではない」のであり、民主的世界によるロシアに対する外交的圧力は非常に重要だとした上で、「イランからの、無人機だけではなく、ミサイルも含む武器のオープンな供給が行われており、北朝鮮などからの榴弾砲砲弾とミサイルの供給も続いている。私たちが公に話さないようなこともあるが、私たちはその供給を目にしている。今のところ、様々な国からロシアの悪への供給の100%の証拠がない以上は、それについては話さない」と発言した。
これに先立ち、スイス政府は4月10日、今年の6月15、16日に、ロシアからの全面侵略を受けるウクライナの平和達成を目指す「平和サミット」を主催すると発表していた。アムヘルト・スイス大統領は、同サミットでは人道、核安全保障、航行の自由、食料安全保障という4つの議題が提起されると述べている。
ゼレンシキー大統領は27日、「平和サミット」にはすでに90か国が参加を認めているとしつつ、ウクライナは世界の首脳たちとさらに参加国を増やすための作業を続けていると発言した。
欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策担当上級代表は28日、ロシアはモスクワで「平和サミット」とは別の何らかの類似の会議を開催することを諸国に提案していると発言した。その際同氏は、ロシアがスイスにおける「平和サミット」に諸国が参加することを激しく嫌がっているのであれば、それはつまり、そのフォーラムが実際に非常に重要だということだと指摘した。