ウクライナ議会、近くロシアと繋がりのある宗教団体の活動を禁止する法案審議へ
ステファンチューク最高会議議長がテレビ番組「統一ニュース」への出演時に発言した。
ステファンチューク氏は、「(編集注:ウクライナにこえる宗教組織の活動に関する)法案の審議は、最高会議の本会議で近く行われる。(中略)ウクライナにおけるロシアの教会は禁止される。それは、同法案の第3条に規定されている明確な内容だ」と発言した。
また同氏は、同法案はまた、ウクライナに存在しながらロシア正教会との提携、協力の疑いがある宗教団体に関しては、調査が実施され、専門家が、協力の兆候の有無を判断することも定めていると伝えた。もしそのような兆候があれば、それら組織の活動停止に関する決定が出されることになるが、その決定は裁判手続きで提訴が可能となると指摘した。
これに先立ち、17日、ゼレンシキー大統領は、フェイスブック・アカウントにて、全ウクライナ教会・宗教団体評議会と会談を行い、ウクライナ領内におけるウクライナ正教会モスクワ聖庁の活動禁止の法案への支持を得たと報告していた。
ゼレンシキー氏は、「全ウクライナ教会・宗教団体評議会の代表者たちとの会談だ。ウクライナの精神面の独立強化のための立法イニシアティブへの支持に感謝している」と書き込んだ。
また同氏は、会談時には、ウクライナの独立とロシアの攻撃に毎日苦しむウクライナ国民、共同体の保護について協議したと書き込んだ。
その他18日、イェルマーク宇大統領府長官は、テレグラム・チャンネルにて、教会へのロシアの影響は除去されると書き込んだ。
イェルマーク氏は、「ウクライナの教会はモスクワの影響が除去される。ソ連時代から、ロシアにおける教会、ロシアのための教会は、同国特殊機関の領域であり耳である。ロシアは今日、ウクライナの教会を破壊する国である。彼らにとって神は存在しないし、信心は存在しない。それは、殺人と暴力にとっての包みなのだ」と訴えた。
これに先立ち、2023年1月、ウクライナ政府が最高会議にウクライナにおける宗教組織の禁止に関する法案第8371を登録。同法案は、ウクライナ正教会モスクワ聖庁の活動を禁止する可能性がある内容として知られている。
同年10月19日、最高会議は、同法案を第一読会で採択していた。
2024年7月23日、最高会議では、複数の最高会議議員が同法案の審議を求めて、議場内の演壇を占拠し、会議を妨害していた。
ウクライナで今年4月に実施された世論調査の結果では、83%の回答者が国家が何らかの形でウクライナ正教会モスクワ聖庁の活動に介入すべき(禁止または監視)であると考えていることがわかっている。
ウクライナ正教会(独立系)は2022年5月12日、ウクライナの宗教団体が侵略国に中心地のある宗教団体に従属することを法律で禁止する必要性への支持を表明し、最高会議に関連の政府提出法案の支持を要請していた。