ゼレンシキー宇大統領、ウクライナ独立記念日に演説 「敵は報いを知ることになる」【全文】

ゼレンシキー宇大統領、ウクライナ独立記念日に演説 「敵は報いを知ることになる」【全文】

ウクルインフォルム
8月24日、ウクライナは33回目の独立記念日を迎えている。ゼレンシキー大統領は同日、国民に向けて独立記念日を祝う演説を行った。

大統領府が演説動画を公開した。ウクルインフォルムによる演説全文の日本語訳は以下のとおり。


親愛なる民よ!

ウクライナ人は常に借りを返している。そして、我々の大地へと災いを望んだ者は、自宅でそれを受け取ることになる。利子付きで。私たちの大地に悪をばら撒きたがる者は、自分の領土でその実を収穫することになる。これは予言ではなく、嘲笑いでもなく、盲目な復讐でもない。これは摂理だ。正義だ。悪にとってのブーメランだ。そして、その発射は、この演説を撮影している場所の近くで始まった。スーミ州モフリツャのプセル川だ。私たちの国境から数キロメートルの地点だ。

ウクライナと不自由の間の国境であり、生と死の間の境界線である。独立した欧州の国家と世界第一のテロ組織の間の国境線である。

913日前、ロシアは、スーミ州からも私たちに戦争を仕掛けた。主権的国境を侵犯したのみならず、残虐性と常識の限界も超えた。私たちを殲滅する、という1つのことを際限なく熱望した上で。これに対して、今日私たちは、33回目のウクライナ独立記念日を迎えている。敵が私たちの大地にもたらしたものは、今敵の家へと戻っている。私たちの大地を緩衝地帯に変えたがった者は、自国が緩衝連邦となることを考えなければならなくなっている。独立は、こうして応じる。

(編集注:独立は)誘導航空爆弾や「キンジャル」の飛来を受ける私たちの平和な国民、私たちの白髪の親、地下で学ぶことを強制されている私たちの子供について、報いを負わせる。「サヴァスレイカ」「オレニヤ」「エンゲリス」といった呪われた場所の名前を生涯知ることを望まなかったであろう全ての私たちの人々について。しかし、残念ながら、ウクライナ人はそれを知ってしまっている。であれば、私たちの敵も、ウクライナ的報いがどのようなものを知ることになる。尊厳のある、対称的な、長射程の報いだ。私たちの国と人にとっての危険の源泉となっているロシア連邦内の1つ1つの場所に対して、遅かれ早かれ、ウクライナの報いが飛来する。

彼らの長の色褪せた目は、全世界をグレーゾーンとして捉えている。しかし、私たちは、権利上青と黄の旗があるべき大地をグレーゾーンには変えさせない。赤いボタンで常に皆を脅迫する赤の広場の病んだ老人には、私たちに対して何らかのレッドラインをもって命令させはしない。どのように生きるか、どの道を進むか、何を選択するかは、ウクライナとウクライナ人のみが自分のために決めていくのだ。なぜなら、独立とはそういうものだからだ。

ウクライナは再び人々を驚かせている。ロシアは再び自分の演目の中だ。概してそのように世界の報道機関はクルスク州での出来事を描いている。報道機関は、ロシアが「ナシェリェニイェ」と呼ぶ自国民への対応を写している。ロシアが自国民を「捨てない」様子を。彼らの兵士が自分のところの店を略奪する様子を。世界中の目に、プーチンロシアはそのように映っている。そして、同様に、世界中が、私たちの戦士がどのように地元の人に水、食べ物、薬を与えているかを見ており、彼らが「カディロフツィでなくて、あなた方がここにいてくれて良かった」と述べているのを見ている。ウクライナの尊厳はこのようである。礼節だ。私たちの独立の美点である。

33年前、ウクライナは世界地図の中に復活した。今日、ウクライナは世界中の心を掴んでいる。勇敢さで鼓舞している。ウクライナは、プーチンを恐れないことの手本となっている。そして、自分の、ウクライナの世界観のもとに地球を団結させている。21世紀、テロリストはバルダイでくつろぐのではなく、ハーグで精算せねばならない。もはや世界の誰もが二度と「ウクライナとはどこだ?」と述べることはない。なぜなら、今やどの大陸でも「ウクライナは勝たねばならない」と述べられているからだ。それが私たちの独立に、私たちのウクライナに活力を与えている。ウクライナには他者の州は要らない。私たちに必要なのは、6992キロメートルの私たちの全国境に沿った私たちの大地における平和と平穏だ。陸でも、海でも、空でも、国内の、私たちが自らの価値を守って立ち続けるあらゆるところにおいてだ。

私たちの戦士が、最前線の全ての方面と境界標で象徴される国境で行っているように。そして、私たちの人々、防衛者、柱が、私たちの意志と戦いを象徴している。彼らの肩でウクライナは堅固に立っている。ハルキウでも、クプヤンシクでも、ザポリッジャでも、ヘルソン州でも。ポクロウシクでも、トレツィクでも、チャシウ・ヤルでも、リマン方面でも、シーヴェル方面でも、クラマトルシク方面でも、クラホヴェ方面で、ヴレミウカ方面でも、フリャイポレ方面でも、オリホヴェ方面でも。独立はそのように戦っている。そして、私たちの全ての戦士に私は今日こう言いたい。「強くあることを願う! 若者たちよ、ありがとう!」と。ウクライナを守る必要が生じた時、あなた方は短くこう言った。「プリュス(編集注:ウクライナ軍で了解を意味する返事の言葉。「プラス」)」と。その時から、913日連続で、占領者を「マイナス」している。敵の損耗に関する乾いた統計値の裏に、実際には、どれだけの努力、汗、血、あなた方の甚大な活動があるのか、知っているのはあなた方だけだ。あなた方だけが、陣地を維持するというのが実際には何を意味するのかを知っている。あなた方だけが「一日中敵の火砲や航空機で圧倒される」ことの意味を知っている。「オークが押している」中で強固に耐えることの意味を。あなた方は、私たちの独立を維持したのであり、守っているのだ。

私は、私たちの戦士、私たちの国を助けてくれている全ての人、独立が機能し、生きられるように、生活し、働いている全ての人に感謝している。私たちの医療関係者、救助隊員、消防士、電力分野従事者、ボランティア、会社員、警察、農家、鉄道関係者、教師、学生。皆だ。ここにいるウクライナ人も、支援し、必要な物を見つけ、送り、ウクライナに関して世界に向けて語っている、国外にいるウクライナ人にも。そして、私たちの一時的被占領下でウクライナと一緒にいる者全員にもだ。力に限界のない、意志に際限のない、全てのウクライナ人に。私は皆に際限なく感謝している。今日も、この戦争のこれまでの913日の1日1日についても。あなた方一人一人の活動について。独立は一人一人の活動のことだということを証明してくれていることについて。それは多くの次元を持っており、包括的な独立を守り抜くには、その1つ1つを達成せねばならない。経済的独立も、エネルギー面の独立も、ウクライナの人々の精神面の独立もだ。ウクライナの正教会は、今日、モスクワの悪魔からの解放へと一歩進んだ。それは、ウクライナを裏切ったことで、独立したウクライナの勲章を身に付けることは今後二度とない者たちに関しての正義の実現でもある。それは、最前線でウクライナを守っており、ウクライナの栄誉である私たちの国籍を得るに値する外国人の英雄に関する正義の実現である。それは、現在私たちが開始した必然的なプロセスである。このように独立は強化されているのだ。

そして、私たちと敵の間には強力な国境がなければならず、ウクライナ人の間には一切の壁がなくなる。なぜなら、ウクライナは、私たち一人一人の中にあるからだ。独立は、私たち一人一人の中にある。そして、団結すれば、私たちは、勝つことができる。それは2月24日に証明された。2022年と2023年にも証明された。そして、今年も証明する。私たちは耐え抜き、抑え、敵に抵抗を与え、そして今やそれを敵の沼地で行っている。

私たちは、独立とは何なのかを知っている。独立を再生するのがどれだけ困難かを知っている。独立を守ることがどれだけ困難かを知っている。しかし、私たちは、全てが私たちにかかっているということを知っている。

私たちは、独立がどのように見えるかを知っている。2月24日の朝、独立は私たちの視野にあった。今日、独立は、全ての方面の塹壕の中にある。独立は、私たちの町や村にある。私たちが自分たちの中に最善のものを見出す度に、そこにウクライナを見出し、そのために私たちは闘っているのだ。今日、独立は、全てを見ている疲れた目を持っている。独立は、ウクライナ人が成功した時に、微笑む。私たちが自分の人々を失う時、独立は静寂だ。独立とは、戦死した英雄を決して忘れないという誓いである。独立は、戦地でも市民生活でも煙と埃の味がする。独立は、警報時にシェルターに潜る。そこで耐え抜き、何度でも上に上がって、敵にこう言うために。「あなたは何もうまくいかない。あなたには不可能だ。あなたは勝てない」と。「あなたは全てについて報いを受ける」と。

そのように、私たちは自由を感じている。そのようにウクライナは見えている。独立はそのように見えている。そして、独立はこんな風に聞こえる。

(編集注:演説動画では、ここでウクライナの各地で聞こえる音を集めた映像が流される。)

ウクライナ人よ、独立記念日おめでとう!

ウクライナに栄光あれ!


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