中国外務省、ゼレンシキー宇大統領の「中国ブラジル和平計画」批判にコメント
毛外務報道官が記者会見時に、ゼレンシキー大統領が中国・ブラジル「和平計画」を「破壊的」と呼んだことについてウクルインフォルム特派員がコメントを求めた際に発言した。
毛氏は、「今最大の優先課題は紛争の沈静化であり、そのため、中国とブラジルの6項目のイニシアティブには、前線拡大と戦闘行為強化を関係者が控え、前線の激化を招きかねない行為を回避することの呼びかけが含まれている」と発言した。
同氏はまた、中国・ブラジル「コンセンサス」には、紛争にて核兵器を使用することや原子力発電所を攻撃することが看過できないことが書かれており、また全ての当事者に対して対話と協議を促す呼びかけが含まれていると伝えた。
さらに同氏は、中国・ブラジルの「和平イニシアティブ」は「ウクライナ危機」(編集注:中国はロシアの対ウクライナ侵略戦争をこのように呼称する)110か国以上から肯定的な反応を得たとし、中国はそれについてウクライナとも協議していると主張した。
加えて同氏は、「中国とウクライナは中国・ブラジル『6項目コンセンサス』を含む関連の問題につき緊密に連絡を取っている。私たちは、和平対話と協議プロセスを促進し続け、紛争の政治的解決にて建設的な役割を担っていく」と発言した。
これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は、中国とブラジルの戦争終結に関する提案は「破壊的」だと批判していた。
5月23日、中国とブラジルは、ロシア・ウクライナ戦争の政治的解決に関して、平和会議の実施は、ウクライナとロシアの双方が認めたもので、全ての当事者が平等に参加し、全ての和平計画が議論されるものを支持するという共通の立場を表明していた。中国とブラジルの意見には、「ウクライナ危機」の解決を可能とする6つの項目の履行が並べられている。
なお、同文書には、ロシアの名前は一度もあげられておらず、この呼びかけが隣国に対して残酷な侵攻を続けている侵略国であるロシアに関係するものなのかどうかが判然としない内容となっている。