ゼレンシキー宇大統領、バイデン米大統領が「勝利計画」を支持しなかった場合に戦争がどうなるかを語る
ゼレンシキー大統領が米誌「ザ・ニューヨーカー」へのインタビュー時に発言した。
記者から、ウクライナはバイデン大統領が「勝利計画」を否定した場合の「プランB」を持っているかと聞かれると、ゼレンシキー大統領は「私たちは何年も『プランB』の中を生きている」と答えた。
その際同氏は、「プランA」は全面戦争が始まる前に提案されていたものであり、それは予防的制裁を発動し、ウクライナを様々な武器で強化する内容だったとしつつ、しかし、当時パートナー国は「ウクライナの話を聞かなかった」と指摘した(編集注:ゼレンシキー大統領は、ロシアが全面侵略を始める前、パートナー国に対して全面侵攻を防ぐための予防的制裁の発動を訴えていた他、ウクライナは戦争に反対しており、ロシアとの対話の用意があると述べていた)。
また同氏は、「現在私は新しい『プランA』を提案している。その計画は、私たちが、私たちの軍の強さ、私たちの民の兵士の欧州的価値への英雄的な献身のおかげで生じている現在のコースを変えるというものだ。もしあなた方がこの戦争が長引かないことを望み、プーチンが、ウクライナ人の命をより多く奪い、自らの民の死体の下に私たちを埋めてしまうことを望まないのであれば、私たちは、あなた方にウクライナを強化する計画を提案する」と発言した。
同氏はその際、その計画は、モスクワとの協力を求めるものではないとし、そこにはパートナー国がロシアの参加なく行えることが記述されているとし、そのウクライナの計画の実現はウクライナとパートナー国にのみ左右されるものだと説明した。
加えて同氏は、その計画は何よりもバイデン氏の支持を考慮したものだとしつつ、しかし、もしバイデン氏がそれを指示したがらない場合には、ゼレンシキー氏はバイデン氏に強制することはできないと述べた上で、その際にはウクライナは「プランBで生き続ける」しかないと指摘した。
同時に同氏は、バイデン氏による拒否は「恐ろしい考えだ」と述べ、「それはバイデン氏がロシアの勝利を否定するどのような手段でも戦争を終わらせたくないということを意味し得る」と発言した。
同氏は、それは「非常に長い戦争、不可能で、多大な数の人々を殺してしまう疲れ果てさせる状況」をもたらしかねないとの見方を伝えた。
なお、ゼレンシキー大統領は、米国の訪問を開始している。同氏は訪問時に、国連総会に出席する他、バイデン米大統領、ハリス米副大統領、トランプ米前大統領と会談し、その際ウクライナが策定した「勝利計画」を提示する予定。