ウクライナ外務省、ロシアの占領する領土でのウクライナ国民の徴兵に抗議表明
1日、外務省が声明を発出した。
外務省は、「ロシアは、その地でいわゆる『徴兵』を行うことで、戦時における文民の保護に関するジュネーブ条約をはじめとする自らの国際法の義務に深刻に違反している。同条約によれば、占領国は、軍隊または補助部隊において勤務することを強制することが禁止されている(編集注:戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約(第4条約)第51条)」と喚起した。
外務省はまた、被占領地のウクライナ国民に対して徴兵を回避するよう呼びかけつつ、侵略国軍へと強制的に加えられてしまった人々に対しては、機会が生じたらすぐに部隊を去り、ウクライナ領に戻る、あるいは第三国へと脱出するよう呼びかけた。
そして同省は、「国際法に反する他の主権国家領土での『徴兵』を実施することで、クレムリン政権は、国家の正当性全体を実質的に損なわせている。結果、徴兵されたロシア国民は、非合法な『兵役のための徴兵に関するロシア連邦大統領令』に従わず、そのような『徴兵』をあらゆる手段で回避するだけの根拠を得ている」と主張した。
また同省は、徴兵された兵士がロシアの対ウクライナ侵略に関与している場合は、ロシア兵投降支援プロジェクト「生きたい」を利用して、自発的にウクライナ防衛戦力に投降するよう呼びかけた。
その他外務省は、「ロシア連邦のクバニ、スタロドゥブシチナ、現在のクラスノダール地方のスロボダ地方北部・東部、ベルゴロド州、ブリャンスク州、ヴォロネジ州、クルスク州、ロストフ州のロシア国民である(編集注:エスニック上の)ウクライナ人は、自分たちの祖先、ルーツを思い出して、クレムリン政権の犯罪によって汚されないようにする時が来ている」と指摘した。
そして同省は、ウクライナはロシアの国際法違反を記録し続けており、ロシアの軍部・政治指導部の侵略犯罪を追及するための方策をとっていると伝えた。また同省は、国際社会に対して、クレムリン政権に対する政治外交的、制裁的圧力を強めるよう呼びかけた。
その上で同省は、「私たちは、国連憲章の目的と原則に基づく『平和の公式』とウクライナのための包括的で公正で永続する平和の実現が、クレムリンの犯罪に終止符を打つことになると確信している」と伝えた。
これに先立ち、ロシアの首脳プーチン氏は、9月30日に2024年10月から12月にかけて、13万3000人をロシア軍に徴兵する大統領令に署名していた。