英国、ロシア軍による化学兵器使用制裁を発動 ウクライナ歓迎
英国政府が公表した。
ラミー英外相は、「英国がプーチンとそのマフィア国家が、化学兵器禁止条約を含む国際法を蹂躙するのを、黙って見ていることはない。私は、この悪質な行為に異議を唱えることを個人的な使命としており、決して引き下がらない。戦場におけるロシアの残酷で非人道的な戦術は忌まわしく、私はロシアの悪質な活動に対抗するために、使えるあらゆる権限を行使する。はっきりさせておく。プーチンとプーチンの意志を実行する者に隠れる場はない。私たちは、恐怖、分断、無秩序を撒き散らそうとするクレムリンの企てを直接標的にし、対抗するために、制裁を科し続ける」と伝えた。
ヒーリー英外相はまた、英国のプーチン政権に対するメッセージは非常に明確だとし、「結果に直面することなく、国際法に違反することはできない」と伝えた。
さらにヒーリー氏は、「私たちは、化学兵器禁止条約とルールに基づく国際秩序に対するこのような露骨な違反を不処罰のまま放置することを許さない。英国は、ウクライナでのこれらの恐ろしい化学兵器攻撃と闘っていく。私たちのウクライナに対する支持は鉄壁であり、必要な限り続く」と発言した。
また発表では、ロシア軍がウクライナの戦場で危険な化学兵器を使用していることを公然と認めているとし、第一次世界大戦の戦場で初めて使われた有毒窒息剤「クロルピクリン」などが使われていると報告されている。
今回制裁対象となったのは、露放射線・化学・生物防衛部隊と同部隊のイーゴリ・キリロフ指揮官だという。さらに、国防省の2つの研究所も、同非人道的兵器の開発・配備を支援したとして制裁対象に入ったという。
同日、ウクライナ外務省は、同制裁の発動を歓迎するコメントを発出した。
外務省は、「これはロシア連邦が化学兵器禁止条約へと違反しながら、ウクライナ領でウクライナ安全保障・防衛戦力に対する危険な化学物質を用いた犯罪を実行し続けているという事実を改めて確認するものだ」と指摘した。
また同省は、国際社会が非難しているにもかかわらず、ロシアは国際法規範をあからさまに違反し続けていると指摘した。
加えて同省は、「その点で特にシニカルなのは、2025年から2027年にかけての化学兵器禁止機関(OPCW)理事会に選出されようとする意向である。主権国家領土で化学兵器を体系的に使用するロシア連邦には、関連国際機関の運営組織に入り、機関の公平で客観的活動に影響を行使する道義的権利がない」と強調している。
そして同省は、ウクライナは化学兵器は誰であれ、どこであれ、どのような状況であっても、その使用は国際法の著しい違反であり、そのような行為に責任を負う国家は、責任を追及されねばならないという自身の確固たる立場を改めて確認すると伝えた。