「この戦争は前線の『沈黙』で終わってはならない」=ゼレンシキー宇大統領

「この戦争は前線の『沈黙』で終わってはならない」=ゼレンシキー宇大統領

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は29日、ロシアが全面侵攻当初から行なっている、占領したウクライナ領土でさらっている、ウクライナ児童のアイデンティティを消し去ろうとするのはジェノサイドと同等の行為だと指摘した。

ゼレンシキー大統領が訪問先のアイスランド・レイキャビクにて、第76回北欧理事会会合でのスピーチの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「アイデンティティを消し去ろうとするのは、ジェノサイドと同義の実践である。国際刑事裁判所(ICC)は、プーチンの行為により、同氏の逮捕状を発付した。(中略)最も危機的なのはその児童たちの不確定な未来であり、それがこの戦争が前線の沈黙で終わってはならないという理由の1つである」と発言した。

そして同氏は、さらわれた子どもたちをウクライナへ戻さねばならないと強調した。その際同氏は、「私たちは、その子どもたちの一部がどこで、どのような状況に置かれているかを知っている。ウクライナのことを忘れさせるためにどのように彼らを教育しているかを知っている。彼らは、孤児であったり、ロシアの『濾過プロセス』で家族から引き離された子どもたちであったりする。彼らは、乳幼児であったり、未成年であったりする。ロシア全土にばらばらにされてはならないはずの、ウクライナへの憎悪を教えられてはならないはずの非常に多くの若い命だ」と指摘した。

その他同氏は、スピーチの際に、会合参加者に対して、公正で永続的な平和の再生のための支援を呼びかけた。

その際同氏は、「私たちは、国際法、国連憲章の力を再生させねばならないし、領土一体性と、あなた方国民や世界の他の人々が有しているのと同じように、私たちの人々の安全を確保せねばならない」と発言した。

そして同氏は、そのためには、ロシアにこの戦争を終わらせるべく、ロシアへさらに圧力をかけなばならないと発言した。同氏は、「効果的な制裁、ロシアの影の船団との戦い、あらゆる必要な物のウクライナ兵への提供。これらは、より迅速に平和の展望をもたらすことのできるステップである」と強調した。

加えて同氏は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟についても言及した。

同氏は、「ウクライナはNATOに加盟する資格がある。その決定の一義性を確保する観点で、その方面で、私たちの国への支援を示してくれたことにつき、私はあなた方の国に感謝している。そのような決定なくして、永続する強固な平和は達成し得ない」と発言した。

さらに同氏は、北欧諸国に対して、「勝利計画」への支持につき謝意を述べた。その際同氏は、「それ(編集注:勝利計画)は、ロシアを公正な平和へと追いやる項目の集まりからなる強力な手段である」と指摘した。

これに先立ち、28日、レイキャビクでウクライナ・北欧サミットが開催され、参加国がウクライナの「勝利計画」を支持するとする共同声明を採択していた

写真:大統領府


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