クリミア・タタール人団体、クリミアの地名を歴史的な旧名に戻すことを提案
バリイェフ「クリミア・タタール・リソース・センター」代表(メジュリス司法・外政局長)がウクルインフォルムでの記者会見時に発言した。
バリイェフ氏は、「私たち、メジュリスとクリミア・タタール・リソース・センターは、閣僚会議(内閣)に対して、最高会議(国会)に出すための一時的被占領下クリミアの自治体の改名決議案を準備するよう求める書簡を準備した」とし、多くの地名がソ連的あるいは植民地的な地名となっていることを指摘した。
同氏はまた、「私たちは、単なる名前について話しているのではないことを喚起したい。私たちは、脱植民地、脱共産主義について話している。1783年の(編集注:ロシアによる)クリミアの併合から、自治体の名称変更政策が始まっており、それは先住民の伝説、歴史、文化、言語に関係のある名前を消滅させるためだった。そのようにロシアは、先住民族を殲滅するためにあらゆることを実行しようとしていたのだ。これは単なる正義の回復ではない。クリミア半島の脱占領のための手段なのだ」と強調した。
チュバロフ・メジュリス代表は、同記者会見時に、「歴史的地名の回復は、クリミア・タタール人に正義を取り戻すという話ではない。それは、ウクライナ国家の本質、ウクライナ領のユニークな場所であるクリミアにおける国家の立場を強める問題なのだ」と述べつつ、1991年から2014年までウクライナ政権は地名回復問題を解決することができなかったと指摘した。
チュバロフ氏はまた、歴史的地名、とりわけ自治体名は、本当のクリミアの「感覚」を帯びているとし、いくつかの自治体名について歴史的地名と現在の地名を発音してみせ(歴史的地名:クトラク、現在:ヴェセーレ、歴:アイセレス、現:ミジュリッチャ、歴:カラスバザル、現:ビロヒルシクなど)、このような例が何千とあると指摘した。
同氏は、今回開始するキャンペーン「名前を取り戻して、クリミアを取り戻す」は哲学的な意味を持つものだとし、「地名を変えずにクリミアに実質的に国家主権を戻すことは可能だ。そして、私たちは解放された半島に戻る。そこにはまた、『フヴァルジシキー(親衛隊の)』だとか『ラジャンシキー(ソ連の)』などの名前があるわけだ。つまり、クリミアを取り戻しても、その精神は取り戻していないことになる。私たちは、クリミアを本質的に取る戻すべきだ。それがとても大切だ」と主張した。
さらに同氏は、クリミアの歴史知的地名はロシア帝国、ソ連、現ロシアの植民地政策によって意図的に消されてきたのだとし、「それは、ロシア帝国の本質の現れなのだ。他者の土地を奪い、そこに暮らす民を殺し、民の記憶を殺す。その土地を自分の利益に沿って扱うためだ」と指摘した。
その他、クリミア・タタール・リソース・センターは、ツイッター・アカウントに、クリミアの主要な都市の歴史的地名を示した地図を公開した。
We use only the correct names on victory cards! pic.twitter.com/UIjUu3wzhl
— Crimean Tatar Resource Center (@ctrcenter) February 14, 2023