【ロシア偽情報】ワルシャワにポーランドによるウクライナ領奪取をうたう広告出現?
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ウクルインフォルム
ロシアのプロパガンダ拡散者は、「ポーランドによるウクライナ領奪取」をうたう広告がワルシャワに出現したとする偽情報を発信した。
執筆:ドミトロー・バドラク
ロシアはポーランドがウクライナ西部を占領することになるだろうする見方を市民の間に広めようとし続けている。今回は、テレグラム上のプロパガンダ・チャンネルが、ポーランド首都ワルシャワのラトゥシュ・アルセナウ駅とツェントルム駅で撮られたとする動画を拡散し、そこに「ポーランド固有の大地を防衛せよ。レオパルトの戦車兵になれ。ウクライナのポーランドを守れ」とのスローガンの書かれた広告が登場したと主張している。投稿には、「あらゆることがウクライナ分割と第三次世界大戦に向かって進んでいる」とのコメントが添えられている。
ウクルインフォルムがワルシャワ地下鉄レンタル・広告事務所グジェゴシュ・ポピェリアシュ氏に尋ねたところ、ワルシャワの地下鉄にそのような広告はないという。ポピェリアシュ氏は、「確認したので、それがフェイクであると、はっきり述べることができる」と強調した。
なお、最近、ロシア発の「ポーランドによるウクライナ西部占領」ナラティブは最もよく拡散されるものの1つとなっている。同テーマは、昨年ロシアの主要プロパガンディストや、政権関係者が拡散していたものだが、2023年に入ってから再び活発に拡散され始めている。ドゥダ・ポーランド大統領が主力戦車レオパルト2をウクライナに提供すると発言すると、ロシアからは、ウクライナ領の一部がその代償として明け渡されるとの予想が広められた。さらに、露プロパガンディストたちは、ウクライナ西部リヴィウ市にて、通りの名前や道路標識にポーランド語の記載が付け足されるという偽情報も広めようとしていた。
通りの広告の画像を偽造するのは、偽情報を作る際にロシアのプロパガンダで多用される手段の1つである。