キーウ市内の歴史建造物の破壊に市民が抗議
公共放送「ススピーリネ」が報じた。
報道には、「人々は、プラカードや、ヴィタリー・クリチコ氏がキーウ市長在任期間中に破壊された複数歴史建造物の写真を手にして、(編集注:行政府庁舎入り口前の)階段に集まった」と書かれている。
Близько тисячі людей зібралися на акцію протесту під стінами КМДА після знесення історичної садиби Зеленських, передає наша кореспондентка pic.twitter.com/KQKjUhATEG
— SUSPILNE NEWS 📰 (@suspilne_news) July 20, 2024
抗議者たちは、「私たちの街を破壊するのはもう沢山」「キーウ破壊は十分だ」「キーウ市議会の無法に反対」「新しい蟻塚(編集注:集合住宅)は勝利を近付けない」「ツルゲーネフ(編集注:破壊された場所に新たに建設されるとするマンションの名前)が私を殺した」などと叫んだ。
庁舎前での抗議の後、人々は破壊された歴史建造物のあるコニシコホ通りへと移動した。
21日、検事総局は、テレビグラム・チャンネルにて、キーウ市内のこの歴史建造物「サディビ・ゼレンシキフ」の破壊に関する刑事捜査が始められたと報告した。
検察は、今回の破壊行為は、差し押さえ済み資産の破壊に該当すると伝えた。
また、禁止に違反して建設工事の実施についても捜査されており、無許可建設行為に該当すると説明されている。
検察は、同建物は、2024年1月に文化遺産の意図的な違法破壊の刑事捜査の一環で、利用・処分禁止を伴う差し押さえ措置が取られていたと喚起した。
その差し押さえは、同土地は首都の歴史地区に該当し、建設実施には、文化情報政策省の許可が必要だからだという。
そして検察は、それにもかかわらず、同地では文化情報政策省の同意なく建設作業が行われたとし、全ての作業は停止されなければならなかったが、7月19日、不明な人物が重機により同建物を破壊したと伝えた。
現在破壊現場では重機の差し押さえが行われたという。
キーウ市警察が本件の裁判前捜査を行なっているとのこと。
歴史建設物「ゼレンシキー邸」は、1890年に商人ヴァシリ・マリンの発注で建設された木造レンガ組み立ての建物。1911年から1915年には裕福な住民ゼレンシキー一家がここで暮らしていたため「ゼレンシキー邸」と呼ばれる。2021年に解体作業が始められたが、社会側の大きな反発が生じ、作業は停止されていた。