10日の人道回廊を通じた避難者数3万8000人=ウクライナ大統領府

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10日、ウクライナ・ロシア間で合意された人道回廊を通じて、戦闘の激しい自治体から3万8000人強が避難した。

ティモシェンコ・ウクライナ大統領府副長官が動画メッセージで報告した

ティモシェンコ氏は、「今日、私たちはあなたたちと共同の努力で、3万8000人以上の人を避難させた。1万6000人がキーウ州から、2万人がスーミ州から、2000人がハルキウ州イジュームから避難した」と発表した。

同氏はまた、9、10日で計8万3000人以上の人を避難させることができたと報告し、さらに政権は引き続きその他の地域の住民の避難を組織するために作業し続けると伝えた。

ヴェレシチューク副首相兼一時的被占領地再統合相もまた、動画メッセージで避難について報告した。同氏は、ヴォルノヴァハ〜ポクロウシクと、マリウポリ〜ザポリッジャのルートは人道回廊が開けなかったと伝えた。とりわけ、同氏は、マリウポリ市は本当の人道災害が起きているとし、同市は激しい砲撃や空爆を受け続けており、水も医薬品も食料品も同市に運び込むことができなかったとし、国際社会に対して「助けて欲しい」と呼びかけた。

ヴェレシチューク氏はまた、同日のウクライナ24局出演時には、マリウポリからは「誰も避難できなかった。水は一滴も人に届いていない。30万人の人々が水もなく、飢えと寒さで苦しんでいる。敵は、復讐かのように人々を救うことを認めないのだ」と強調した。また、同氏は、マリウポリには、300人の外国人と欧州安全保障協力機構(OSCE)監視団要員もいるが、恒常的な砲撃により避難ルートが機能しないと指摘した。

同氏はさらに、「敵は毎日、私たちの人道支援が車道に現れると、進む方向に向かって攻撃してきて、1キロメートルさえ進ませないのだ。それは国際犯罪だ。私は確信している。最高レベルで捜査されることになるだろう」と発言した。

ハルキウ州警察は、同日のイジューム市からの避難の際に、敵からの空爆があったと報告した。ただし、警察官にも民間人にも犠牲者は出なかったとのこと。

イジュームからの避難 写真:ハルキウ州警察

キーウ州複数自治体からの避難 写真:国家警察

なお、10日に発表されていた住民避難のための停戦を伴う人道回廊は、以下の7本だった

・トロスチャネツ(スーミ州)→ポルタヴァ(ポルタヴァ州)

・クラスノピッリャ(スーミ州)→ポルタヴァ

・スーミ→ポルタヴァ

・マリウポリ(ドネツィク州)→ザポリッジャ(ザポリッジャ州)

・ヴォルノヴァハ(ドネツィク州)→ポクロウシク(ドネツィク州)

・イジューム(ハルキウ州)→ロゾヴァ(ハルキウ州)

・ブチャ、ボロジャンカ、ホストメリ、イルピン(キーウ州)→キーウ