スラヴティチ市長、ロシア軍による同市占領と住民3名殺害を報告
チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所で勤務する人々の暮らす町として知られる、キーウ(キエフ)州(飛び地)北部スラヴティチのフォミチェウ市長は26日、同市がロシア軍に占領され、住民3名が殺害されたと報告した。
フォミチェウ市長の動画メッセージがフェイスブックに掲載された。
フォミチェウ氏は、「スラヴティチは、今日から被占領下である。私たちは、町を強固に守ってきた。3日前、私たちは町を戦闘なく明け渡せとの最後通牒を受け取った。しかし、私たちの軍人、国家警察は、町を守る決定を下した」と述べつつ、しかし、両者の間には力の差があったと指摘した。
同氏は、「敵が町に入ってきて、住宅街を砲撃し始めた時、最初に合意していたように、住宅には隠れない、市街地には入らないという決定が下された」と発言した。
そして同氏は、今回、スラヴティチ市は占領されたが、同日同市の住民は親ウクライナの立場を表明したとし、「町中の残っていた人たちが、ウクライナ国旗を手にして、『スラヴティチはウクライナだ』『私たちには他の誰もいらない、なぜならここは私たちの大地だ』といったスローガンと共に通りに出た。(中略)今日、スラヴティチはウクライナの町であり続けており、ウクライナ国旗の下に、ウクライナ政権とウクライナ憲法と、自らの倫理法典とともにあり続けている」と発言した。
同時に同氏は、今スラヴティチ市にウクライナ軍はいないと強調した。
さらに同氏は、3名の同市住民が殺されたとの情報を確認したとし、殺害された全員を特定はできてはいないと発言した。
同氏は、スラヴティチをサポートしている人たちへの感謝を伝え、今後も支援して欲しい、これからは占領下で生きなければならないと伝え、人道問題が現在最も重要な問題の一つであり、住民の避難のための人道回廊の開通協議が行われていると伝えた。
加えて同氏は、占領下では落ち着いて行動するように、占領軍の定める出入り禁止令を守るようにと呼びかけつつ、チョルノービリ原子力発電所の作業員交代が同市にとって重要な課題であると述べた。同氏は、「私たちは、この作業を絶対に続けなければならない。チョルノービリ原子力発電所の安全を守るために人員を交代させなければならない。世界レベルで非常に重要な施設であり、新しい安全シェルターの作業を維持せねばならない。そのためには行動調整が必要だ。戦争初日に拘束された国家警護隊の軍人と、ロシア軍捕虜の交換問題がある。それも最高レベルで協議されている」と伝えた。
これに先立ち、26日、ロシア軍は、スラヴティチ市長を拉致していた。また、市民が親ウクライナ集会を開催したところ、ロシア軍がスタングレネードを抗議者に対して使用した。